そのZIP添付、本当に安全ですか? “脱PPAP”が広がった本当の理由

ファイル管理・セキュリティ

こんにちは。株式会社ネクフルです。

ZIP化してパスワードを別メールで送る――そんな共有方法が、長く“普通の運用”として使われてきました。
ただ、ファイル容量の増加やテレワーク対応、クラウド共有の普及もあって、「管理が追いづらい」「結局どこに保存したか分からない」といった負担も少しずつ増えています。

“脱PPAP”は、ZIP添付を禁止する話というより、ファイル共有そのものを整理し直す流れに近いのかもしれません。
今回は、実務で起きやすい悩みや運用負荷を整理しながら、共有方法の考え方を見直していきます。

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  1. 「脱PPAP」が増えた背景は、セキュリティだけではない
    1. 添付運用そのものが限界に近づいていた
    2. テレワークで“メール前提”が崩れ始めた
    3. 管理履歴やログ管理への要求が増えた
  2. ZIP+別送パスワード運用で起きやすい課題
    1. 誤送信時に止められない
    2. ZIPとパスワードが分散する
    3. 添付容量問題で例外運用が増える
    4. 部署ごとに共有方法がバラバラになる
  3. “脱PPAP”で変わるのは、「共有方法の考え方」
    1. ファイルを“送る”から“置く”へ
    2. アクセス権で管理する考え方
    3. 更新型共有が増えている理由
  4. よく使われる共有方法を比較してみる
    1. OneDriveが向いているケース
    2. Google Driveが向いているケース
    3. Boxが向いているケース
    4. ファイル転送サービスが向いているケース
    5. オンプレ共有が向いているケース
    6. 「何が優れているか」より、“何を減らしたいか”で考える
  5. “管理しやすい”と“使いやすい”は別問題
    1. 権限を細かくしすぎる問題
    2. 現場がルールを覚えきれない問題
    3. 「結局ローカル保存」が起きる理由
  6. 実務では“役割分離”がかなり重要になる
    1. 作業領域
    2. 保管領域
    3. 外部共有領域
    4. アーカイブ領域
  7. 「探せる設計」が長期運用をラクにする
    1. HOT/COLD管理
    2. メタデータ管理
    3. 属人化しにくい構成
  8. 「全部置き換える」より、“困っている部分”から整理する
    1. 小さい改善から始める
    2. 添付禁止から始めなくていい
    3. 現場が続けやすい形を優先する

「脱PPAP」が増えた背景は、セキュリティだけではない

ZIP化してパスワードを別メールで送る運用は、長く“無難な共有方法”として使われてきました。
ただ、ファイル容量や共有相手、働き方が変わるにつれて、「安全かどうか」以前に、管理そのものが少しずつ難しくなってきています。

添付運用そのものが限界に近づいていた

以前は、数MB程度の資料をメールで送るだけなら大きな問題になりにくく、ZIP添付も自然な流れでした。
ただ、最近は動画・デザインデータ・高解像度画像・大量のExcel資料など、共有するファイル自体が重くなっています。

その結果、

  • 圧縮しても送れない
  • 分割が必要になる
  • 別の転送サービスを使う
  • 「どれが正式版か」が分からなくなる

といった、“例外対応”が増えやすくなりました。

特に現場では、「送れればOK」で運用が継ぎ足されやすく、部署ごとに共有方法が変わっていくことも珍しくありません。

営業はファイル転送サービス、制作はGoogle Drive、管理部門はメール添付――という状態になると、共有ルールそのものが見えづらくなっていきます。

テレワークで“メール前提”が崩れ始めた

社内ネットワークだけで完結していた頃は、メール添付でも運用しやすい場面が多くありました。

ただ、テレワークやモバイル対応が増えると、

  • 社外から確認する
  • 複数人で同時に更新する
  • 外部パートナーと共有する
  • 最新版を常に参照する

といった使い方が増えていきます。

そうなると、「送るたびにZIP化してメール添付」という流れが、少しずつ実態に合わなくなってきます。

実際、OneDriveやGoogle Drive、Boxなどを使った“更新型共有”へ移行する企業が増えたのも、単なる流行ではなく、運用負荷を減らしやすかった面が大きいと言えます。

特にURL共有型の運用は、

従来の添付運用URL共有型運用
修正版のたびに再送同じURLで更新可能
添付ファイルが散らばる保存場所を一本化しやすい
誰が最新版を持っているか分かりづらい常に同じファイルを参照できる

といった違いがあります。

管理履歴やログ管理への要求が増えた

以前は、「送ったかどうか」が分かれば十分だった共有も、今はもう少し細かい管理が求められる場面が増えています。

たとえば、

  • 誰がアクセスしたか
  • いつ共有したか
  • 外部共有が残っていないか
  • 権限変更が適切に行われているか

といった確認です。

ZIP添付+別送パスワード運用は、“送信した事実”は残っても、その後の閲覧状況までは追いづらい構造になっています。

一方、BoxやOneDriveなどのクラウド共有は、アクセス履歴や共有設定を確認しやすく、あとから管理しやすい構成を作りやすくなっています。

もちろん、ツールを変えるだけで全て解決するわけではありません。
ただ、「誰がどこに何を共有しているか」を追いやすい状態にしておくことは、長期運用ではかなり重要になってきます。

ZIP+別送パスワード運用で起きやすい課題

ZIP添付+別送パスワード運用は、単純に“危険だからダメ”という話ではありません。
実際には、日々の小さい確認作業や例外対応が積み重なり、管理しづらさにつながっているケースが多く見られます。

誤送信時に止められない

メール添付運用で一番扱いが難しいのは、「送った後に制御できない」ことです。

たとえば、宛先を間違えて送信してしまった場合でも、

  • 添付ファイルを回収できない
  • 閲覧停止できない
  • URL失効のような後処理ができない

といった状態になりやすくなります。

もちろん、クラウド共有でも設定ミスは起こり得ます。
ただ、URL無効化や権限変更ができる構成は、“後から止められる”という点で差があります。

共有事故をゼロにするのは難しくても、「あとから調整できる余地があるか」は、実務ではかなり大きな違いになります。

ZIPとパスワードが分散する

PPAP運用では、

  • ZIP送信メール
  • パスワード送信メール

が分かれるため、確認や履歴追跡が煩雑になりやすい傾向があります。

現場では、

  • パスワード送信忘れ
  • どちらを先に送ったか分からない
  • 別スレッド化して追えない
  • 返信時に履歴が混ざる

といった小さな混乱も起こりやすくなります。

特に、複数案件を並行対応している部署ほど、「確認コスト」が積み上がりやすくなります。

添付容量問題で例外運用が増える

メール添付だけで収まらなくなると、現場では自然と“別ルート”が増えていきます。

たとえば、

  • 大容量だけファイル転送サービス
  • 一部だけGoogle Drive
  • 動画だけBox
  • 急ぎはチャット添付

のような状態です。

もちろん柔軟に対応できるメリットもありますが、ルールが整理されないまま増えていくと、

  • どこに正式データがあるか分からない
  • 保管場所が統一されない
  • 退職時にデータ所在が追えない

といった問題も起こりやすくなります。

“送る方法”だけでなく、“残り方”まで含めて考える必要が出てきます。

部署ごとに共有方法がバラバラになる

共有ルールは、現場ごとに最適化されやすい反面、統一感を失いやすい部分でもあります。

営業はメール中心、制作はクラウド共有、管理部門はオンプレ保管――という状態になると、引き継ぎや横断管理が難しくなります。

特に起こりやすいのが、

  • 個人ローカル保存
  • 個人クラウド化
  • 独自命名ルール
  • フォルダ構成の属人化

です。

その結果、「探せない」「どれが正式か分からない」が慢性化しやすくなります。

だからこそ、“脱PPAP”は単なるZIP禁止ではなく、「共有方法をどう整理するか」という話につながっていきます。

“脱PPAP”で変わるのは、「共有方法の考え方」

ZIP添付をやめる話になると、「じゃあ次はどのツールを使えばいいのか」という話になりがちです。
ただ、実際は“何を使うか”より、“どう共有するか”の考え方が変わってきています。

ファイルを“送る”から“置く”へ

これまでのメール添付運用は、「ファイルを相手へ送る」ことが前提でした。

一方、最近増えているクラウド共有は、「ファイルを置いて、必要な人がアクセスする」という形に近くなっています。

この違いは、実務ではかなり大きく、

  • 毎回添付しなくていい
  • 修正版を送り直さなくていい
  • 保存場所を一本化しやすい
  • 「最新版どれ?」が起きにくい

といった変化につながります。

特に、複数人で更新する資料や、長く使うファイルほど“置いて共有する”方が運用しやすくなります。

たとえば営業資料でも、

  • 毎回メール添付で送る
  • 更新版を部署全員へ再配布する

より、

  • OneDriveやGoogle Driveに保存
  • URLを共有
  • 常に最新版を参照

という形の方が、差し替えミスを減らしやすくなります。

アクセス権で管理する考え方

PPAP運用は、「パスワードを知っている人だけが開ける」という考え方でした。

一方、クラウド共有は、

  • 誰が見られるか
  • 誰が編集できるか
  • いつまでアクセス可能か

を、あとから変更できる構造になっています。

たとえばBoxやOneDriveでは、

  • 社外共有だけ期限付き
  • 閲覧のみ許可
  • ダウンロード禁止
  • 特定メンバーだけ編集可能

といった設定も可能です。

もちろん、細かく設定しすぎると運用負荷が増えることもあります。
ただ、「送ったら終わり」ではなく、“あとから調整できる”ことは、実務ではかなり扱いやすさにつながります。

更新型共有が増えている理由

更新型共有が増えている理由のひとつは、「ファイルの最新版管理」がかなりラクになるためです。

メール添付中心だと、

  • 修正版
  • 最終版
  • 最終版2
  • 本当の最終版

のような状態になりやすく、どれが正式版か分からなくなることがあります。

特に、

  • 複数部署が関わる資料
  • 社外確認が入る資料
  • 長期間更新される資料

ほど、この問題は起きやすくなります。

一方、クラウド共有は「同じ場所のファイルを更新する」前提なので、保存先を増やしにくくなります。

ファイルを“配る”というより、“一か所を見てもらう”構成に近づいているわけです。

よく使われる共有方法を比較してみる

共有方法を整理する際、「どれが最強か」で考え始めると、逆に選びづらくなることがあります。

実際は、

  • 社内中心か
  • 社外共有が多いか
  • 管理重視か
  • スピード重視か

によって、向いている構成が変わります。

OneDriveが向いているケース

OneDriveは、Microsoft 365をすでに使っている企業と相性が良い共有方法です。

特に、

  • Excel
  • Word
  • PowerPoint
  • Teams

との連携が自然なので、社内業務をまとめやすくなります。

向いているケースとしては、

  • Officeファイルが多い
  • Teams運用が中心
  • 社内共有がメイン
  • Microsoft環境で統一したい

といった企業です。

逆に、外部パートナーとの柔軟な共有を頻繁に行う場合は、設定ルールを整理しておかないと混乱しやすいことがあります。

Google Driveが向いているケース

Google Driveは、「スピード感のある共有」と相性が良い構成です。

たとえば、

  • 外部共有が多い
  • 複数人編集が多い
  • 素早く共有したい
  • URLベース運用に慣れている

といった現場では使いやすい傾向があります。

特に制作系・スタートアップ・プロジェクト型業務では、「とりあえず共有してすぐ動ける」ことが強みになりやすいです。

一方で、自由度が高いぶん、

  • フォルダ整理
  • 権限設計
  • 命名ルール

を決めないまま使い始めると、あとから散らかりやすくなります。

Boxが向いているケース

Boxは、「管理性」を重視したい企業と相性が良いサービスです。

特に、

  • 権限管理
  • アクセスログ
  • 承認フロー
  • 外部共有制御

などを重視したい場合に選ばれやすくなっています。

そのため、

  • 情報管理ルールが厳しい
  • 部署横断運用が多い
  • 監査対応が必要
  • 長期運用を前提にしたい

といった企業では導入しやすい傾向があります。

一方で、自由度より“管理前提”の思想が強めなので、ルールなしで気軽に使いたい現場とは少し相性が分かれることがあります。

ファイル転送サービスが向いているケース

ファイル転送サービスは、「一時的に渡す」用途と相性が良い共有方法です。

たとえば、

  • ギガファイル便
  • firestorage
  • HENNGE One Transfer

などがあります。

向いているのは、

  • 単発共有
  • 大容量送信
  • 一時納品
  • 短期間だけ渡したい

といったケースです。

ただし、

  • 長期保管
  • 更新管理
  • 検索性
  • 履歴管理

にはあまり向いていません。

“渡す”用途と、“残す”用途を分けて考えることが重要になります。

オンプレ共有が向いているケース

オンプレミス型のファイル共有は、今でも一定数使われています。

特に、

  • 閉域環境
  • VPN前提
  • 社外共有を制限したい
  • 社内ネットワーク中心

といった環境では、オンプレの方が管理しやすいケースもあります。

ただ、その分、

  • 外部共有
  • モバイルアクセス
  • 柔軟な連携

は制限されやすくなります。

「絶対クラウドが正解」というより、どこまで外部共有を前提にするかで考えた方が整理しやすくなります。

「何が優れているか」より、“何を減らしたいか”で考える

共有方法を選ぶ際、比較表だけで決めようとすると迷いやすくなります。

実際には、

  • 添付ミスを減らしたい
  • 探しやすくしたい
  • 権限管理をラクにしたい
  • 属人化を減らしたい
  • 容量問題を整理したい

など、“何を減らしたいか”から考える方が整理しやすくなります。

ネクフルでも、単純に「一つの場所へ全部集約する」というより、

  • 作業場所
  • 外部共有場所
  • 保管場所
  • アーカイブ場所

を役割ごとに分ける考え方が重視されています。

共有方法そのものより、「どこに何を置くか」を整理する方が、長期運用では効いてくる場面が多くなります。

“管理しやすい”と“使いやすい”は別問題

共有方法をクラウドへ切り替えると、「これで管理しやすくなる」と感じる場面は増えます。
ただ、実際の現場では、“管理側にとって便利”と“使う側にとって続けやすい”が一致しないことも少なくありません。

権限を細かくしすぎる問題

クラウド共有は、細かいアクセス制御ができることが大きな特徴です。

たとえば、

  • 閲覧のみ
  • 編集可能
  • ダウンロード禁止
  • 社外共有禁止
  • 有効期限付き共有

など、かなり柔軟に設定できます。

ただ、実際の現場では、細かく設定しすぎることで逆に運用が複雑になることがあります。

よく起きやすいのが、

  • 「開けない」と毎回問い合わせが来る
  • 誰が権限を持っているか分からない
  • 担当者しか設定を理解していない
  • 急ぎのたびに権限変更が発生する

といった状態です。

特に、部署単位・案件単位・外部パートナー単位で細かく分け始めると、管理側も追いきれなくなります。

そのため、実務では“完璧な制御”より、

  • どこまで共通化するか
  • どこだけ個別対応にするか

を決めておく方が、結果的に安定しやすくなります。

現場がルールを覚えきれない問題

共有ルールは、増えるほど守られにくくなる傾向があります。

たとえば、

  • この資料はOneDrive
  • 外部共有はBox
  • 一時共有は転送サービス
  • 動画は別ストレージ
  • 更新版はTeams通知

のように運用を細かく分けると、管理上は整理されても、現場では判断コストが増えていきます。

すると、

  • とりあえずメール添付
  • 分からないのでローカル保存
  • 急ぎなのでチャット送信

のような“例外運用”が増えやすくなります。

特に、人の入れ替わりが多い部署や、IT専任ではない現場ほど、「覚えなくても回る構成」にしておくことが重要になります。

ルールを増やすより、

  • 保存場所を減らす
  • 命名ルールを統一する
  • 外部共有先を固定する

など、“迷いにくさ”を優先した方が、実務では定着しやすくなります。

「結局ローカル保存」が起きる理由

クラウド共有を導入しても、ローカル保存が完全になくなるわけではありません。

むしろ、

  • 探しづらい
  • 開くのが遅い
  • フォルダ構造が複雑
  • どこに置けばいいか分からない

といった状態になると、「自分のPCに置いた方が早い」と感じる人が増えていきます。

特に制作データや動画ファイルなど、容量が大きいデータではこの傾向が強くなります。

その結果、

  • 個人PC保存
  • デスクトップ保管
  • 個人クラウド化
  • USB退避

などが発生し、逆に管理しづらくなることがあります。

だからこそ、共有基盤は“高機能かどうか”より、

  • 探しやすいか
  • 迷わないか
  • 保存場所が分かりやすいか

がかなり重要になります。

実務では“役割分離”がかなり重要になる

共有環境が散らかりやすい理由のひとつは、「全部を一か所で管理しようとする」ことです。

実際には、

  • 作業する場所
  • 正式保存する場所
  • 外部へ渡す場所
  • 長期保管する場所

は、それぞれ役割が違います。

この“役割分離”をしておくだけでも、かなり運用しやすくなります。

作業領域

作業領域は、「日々編集する場所」です。

たとえば、

  • 制作中の資料
  • 編集途中の動画
  • 共同作業ファイル
  • 更新頻度が高いデータ

などが該当します。

ここでは、

  • スピード
  • 同時編集
  • 更新しやすさ

が重要になります。

Google DriveやOneDriveは、この“作業領域”として使いやすいケースが多くあります。

ただし、作業領域はファイル数が増えやすいため、「完成後どこへ移すか」を決めておかないと、あとからかなり探しづらくなります。

保管領域

保管領域は、「正式版を残す場所」です。

ここでは、

  • 最新版管理
  • 命名統一
  • 検索しやすさ
  • 閲覧権限整理

が重要になります。

作業領域と同じ場所にしてしまうと、

  • 試作版
  • 修正版
  • 一時データ

まで混ざりやすくなります。

そのため、完成データだけを整理して残す場所を分けておくと、あとから探しやすくなります。

外部共有領域

外部共有領域は、「社外へ渡すための場所」です。

ここを分けておくと、

  • 社外共有URL
  • 期限付き共有
  • ダウンロード制限
  • 閲覧ログ

などを整理しやすくなります。

特に、社内保管領域と同じ場所で外部共有を始めると、共有範囲が曖昧になりやすくなります。

そのため、

  • “社外へ渡す場所”を固定する
  • 外部共有専用フォルダを作る

だけでも、管理しやすさはかなり変わります。

アーカイブ領域

アーカイブ領域は、「頻繁には使わないが残しておく場所」です。

ここを分けずに運用すると、

  • 現役データ
  • 過去データ
  • 使わない素材

が全部同じ場所へ残り続け、検索性が落ちやすくなります。

ネクフルでもよく使われる考え方として、“HOT/COLD管理”があります。

簡単に言えば、

区分用途
HOT日常的に使うデータ
COLD保管目的のデータ

を分ける考え方です。

これを意識するだけでも、

  • ストレージ肥大化
  • 探しづらさ
  • 現役データ埋没

を減らしやすくなります。

「どこに保存するか」だけでなく、「どこで使うか」を分けて考えることが、長期運用ではかなり重要になってきます。

「探せる設計」が長期運用をラクにする

ファイル共有の運用は、導入直後よりも「数年後にどうなっているか」で差が出やすくなります。
最初は便利でも、データが増えるにつれて探しづらくなり、“結局どこにあるか分からない”状態になることは珍しくありません。

HOT/COLD管理

データ管理でよく起きるのが、「今使うデータ」と「残しているだけのデータ」が同じ場所へ混ざっていくことです。

たとえば、

  • 毎日編集する資料
  • 半年前の案件データ
  • もう更新しない動画素材
  • 念のため残している旧ファイル

が同じフォルダに積み上がっていくと、検索性がかなり落ちやすくなります。

そこで役立つのが、“HOT/COLD管理”という考え方です。

簡単に言えば、

区分主な用途
HOT日常的に使うデータ
COLD保管目的のデータ

を分けて管理する方法です。

たとえば、

  • 現行案件はOneDrive
  • 完了案件はアーカイブ領域
  • 社外共有用は別フォルダ

のように役割を分けておくだけでも、かなり探しやすくなります。

特に動画やデザインデータのような大容量ファイルは、“全部同じ場所”で運用するとストレージ肥大化や検索負荷につながりやすくなります。

ネクフルでも、作業場所と保管場所を分ける考え方がよく使われていますが、これは単に整理のためだけではなく、「現場で探しやすくする」ためでもあります。

メタデータ管理

フォルダだけで整理し続けると、どうしても限界が出てきます。

特に、

  • 案件数が多い
  • 複数部署で共有する
  • 動画・画像素材が多い
  • 長期保管が前提

といった環境では、「フォルダをたどるだけ」で探すのが難しくなります。

そこで重要になるのが、メタデータ管理です。

メタデータというと難しく聞こえますが、

  • 案件名
  • 担当部署
  • 日付
  • タグ
  • 種類

など、“検索しやすくするための情報”を付ける考え方に近くなります。

たとえば動画管理でも、

  • 「2025展示会」
  • 「営業資料」
  • 「社外公開OK」

のようなタグがあるだけで、探しやすさはかなり変わります。

逆に、フォルダ名だけで運用すると、

  • 似た名前が増える
  • 保存場所が人によって違う
  • 過去データが埋もれる

といった状態になりやすくなります。

「どこへ置くか」だけでなく、「どう探すか」まで考えておくと、運用負荷はかなり変わってきます。

属人化しにくい構成

共有運用で一番長引きやすい問題のひとつが、“詳しい人しか分からない状態”です。

たとえば、

  • この案件はこの人のフォルダ
  • この動画は個人NAS
  • この共有URLは担当者しか知らない

のような状態になると、引き継ぎがかなり難しくなります。

特に退職・異動・部署再編が発生すると、「どこに何があるか分からない」が一気に表面化しやすくなります。

そのため、長期運用では、

  • 保存場所を固定する
  • 命名ルールを統一する
  • 外部共有場所を限定する
  • “誰でも探せる”前提にする

といった構成がかなり重要になります。

“高機能な管理”より、“迷わない構成”の方が、実際の現場では続きやすいことも少なくありません。

「全部置き換える」より、“困っている部分”から整理する

脱PPAPの話になると、「すべての運用を一気に変えないといけない」と感じることがあります。

ただ、実際の現場では、全部を同時に変えようとすると混乱しやすくなります。

だからこそ、“今どこが困っているか”から整理していく方が進めやすくなります。

小さい改善から始める

共有運用は、小さい変更でも意外と効果が出ることがあります。

たとえば、

  • 外部共有だけURL化する
  • 部署ごとに保存場所を固定する
  • 完了案件だけアーカイブへ移す

だけでも、探しやすさや管理負荷はかなり変わります。

特に、「全部のルールを作り直す」より、“一番困っている部分”から整理した方が、現場も受け入れやすくなります。

添付禁止から始めなくていい

脱PPAPという言葉だけを見ると、「メール添付を完全禁止にする話」に見えることがあります。

ただ、実際は、

  • 一部だけURL共有
  • 大容量だけクラウド化
  • 外部共有だけ別運用

のように、段階的に整理している企業も多くあります。

急に全部切り替えると、

  • 現場が混乱する
  • 例外対応が増える
  • 結局ローカル保存へ戻る

といったことも起きやすくなります。

“完全移行”より、“続けやすい移行”の方が、実務では重要になることがあります。

現場が続けやすい形を優先する

共有運用は、「理想的かどうか」だけでは続きません。

実際には、

  • 探しやすい
  • 迷わない
  • 手順が少ない
  • 誰でも使いやすい

といった要素の方が、長く定着しやすくなります。

特に、

  • 情シス専任ではない
  • ITに詳しい人が限られる
  • 部署ごとに運用差がある

ような環境では、“現場で自然に回ること”がかなり重要になります。

“脱PPAP”は、ZIP添付をやめること自体が目的というより、「共有方法をどう整理するとラクになるか」を考える流れに近いのかもしれません。


よくある質問:
Q. 脱PPAPって、メール添付を全部禁止することですか?
A. 必ずしもそうではありません。実際は、「どの共有方法が今の業務に合っているか」を整理する動きに近く、外部共有だけURL化するなど、部分的に見直している企業も多くあります。

Q. OneDrive・Google Drive・Boxは、結局どれを選べばいいですか?
A.「どれが一番優秀か」より、「何を減らしたいか」で考えると整理しやすくなります。たとえば、Office連携重視ならOneDrive、柔軟な共同編集ならGoogle Drive、管理性や権限制御を重視するならBoxが向いています。

Q. クラウド共有にしても、結局ファイルが散らかりませんか?
A. ツールを変えるだけでは散らかることがあります。実際は、「作業場所」「保管場所」「外部共有場所」を分けるなど、役割整理をしているかどうかがかなり重要になります。

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