配信サイトを作るとき、やっぱり気になるのは「どれくらいの費用で始められるか」というところ。AWSなら必要な分だけ使える仕組みなので、ライブもオンデマンドも無理のない形で組み立てられます。この記事では、最小構成の料金イメージや作業の流れをやさしく整理して、予算づくりの参考になる情報だけをまとめました。
まずはざっくり費用の全体像を
AWSで動画配信サイトを組むときは、どこにお金がかかるのかを先に知っておくと流れがつかみやすくなります。ライブ配信とオンデマンド配信では費用の向きが少し違うため、その違いもふくめて整理していきます。
配信サイトに必要な費用の“ざっくりした枠”を知る
AWSの料金は大きく「保存・処理・配信」の3つに分けられます。それぞれ使った分だけ費用が発生する仕組みです。
主な費用項目
(参考:AWS公式料金ページ・2024年時点の一般的な数値)
| 分類 | 内容 | 料金の目安(一般的な例) |
|---|---|---|
| 保存(S3) | オンデマンド動画の保管 | 約2.3円/GB(標準ストレージ) |
| 処理(MediaConvert/MediaLive) | 配信用の変換・エンコード | 数十円〜数百円/時間(解像度で変動) |
| 配信(CloudFront) | 視聴者への配信トラフィック | 約12〜25円/GB 程度(リージョンで変動) |
※あくまで“方向性をつかむ”ための数値です。
ライブとオンデマンドで費用の向きがどう変わる?
ライブは「配信時間」と「視聴数」に左右されやすく、オンデマンドは「保存量」と「再生回数」で変動します。
- ライブ配信
→ エンコード(処理)コスト と 配信トラフィック が中心 - オンデマンド配信
→ 保存コスト と 再生時の配信トラフィック が中心
料金が発生するポイントをおさえておくと安心
AWSは“何をどれだけ使ったか”がそのまま料金に直結します。
料金の起点になるポイント
- 動画をアップすると 保存コスト
- ライブ入力が始まると エンコードの稼働コスト
- 誰かが再生すると 配信トラフィックコスト
- 変換すれば 変換コスト
この仕組みを理解しておくと、予算の見通しが立てやすくなります。
ライブ配信に必要な費用
ライブ配信では「入力→変換→配信」と段階が進むたび費用のポイントが変わります。最小構成に絞った場合の費用の考え方を整理します。
ライブ配信に必要な主なサービスの役割をまとめる
ライトな構成の場合、次のようなサービスを組み合わせます。
ライブ配信でよく使われるサービス
- MediaLive(ライブ入力の受け取り・変換)
- MediaPackage(視聴者に最適化した配信形式に整える)
- CloudFront(国内外に向けて配信)
役割のイメージ(シンプル版)
- MediaLive → ライブ入力を処理
- MediaPackage → 再生方式を整える
- CloudFront → 視聴者へ配信する
それぞれが稼働した分だけ費用が発生します。
ライブ1本あたりの料金はどう変わる?
費用は「稼働時間 × 処理内容 × 視聴数」で変わります。
MediaLiveの稼働コスト
MediaLiveの料金は解像度によって変動します。
例:HD配信の場合、1時間あたり数百円〜のレンジ。
MediaPackageのコスト
パッケージング(HLS などの形式整備)に対して数円〜数十円/時間の範囲。
流量に応じて変わりやすい部分です。
CloudFrontの配信コスト
配信トラフィックは 1GBあたり約12〜25円前後 が一般的です。
※日本向けの場合の参考値。
例:視聴者が100名で、各自が1GBぶん視聴した場合
- 約12〜25円 × 100GB → 約1200〜2500円程度
視聴数が多いほど配信量が増えるため、ここがライブ費用の軸になりやすいです。
ライブ配信の費用が変動しやすい理由
ライブは“リアルタイムで動く処理”が多く、配信時間が長いほど費用が伸びます。視聴者数の増減がそのまま配信トラフィックに影響するため、イベント配信では変動が大きくなる傾向があります。
費用が変わる主な要因
- 配信時間が長い
- 高解像度(1080p、4K など)を使う
- 視聴者数が多い
- 同時接続が増える
- 冗長構成を組む(MediaLiveのバックアップなど)
最小構成にするとどうなる?
- 720p または 1080p の単一パイプライン
- 冗長なし
- 配信1時間
- 視聴数が少ない
このケースだと費用はかなり抑えられ、数千円〜数万円以内で収まることが多いレンジになります。
オンデマンド配信に必要な費用
オンデマンド配信は、保存する容量と視聴される回数が費用に直結します。必要なサービスの組み合わせや料金のつき方を知っておくと、構成が選びやすくなります。
オンデマンドでよく使うサービスの組み合わせ
オンデマンド配信はシンプルな構成でも動かせます。基本は「保存」「変換」「配信」の3つです。
保存に使うストレージ(S3)
動画データを保管する場所です。標準ストレージの料金はおおよそ 2.3円/GB前後。
保存が増えるほど料金も伸びる仕組みです。
変換に使うサービス(MediaConvert)
アップした動画を、スマホやPCで再生しやすい形式に変換します。
料金は「解像度 × 必要な処理量」で変わり、数十円〜数百円/1ファイルの範囲になるケースが多いです。
配信に使うCDN(CloudFront)
視聴者へ映像を届ける役割です。
日本向け配信の場合の目安は 約12〜25円/GB程度。
オンデマンド配信の基本構成
| 役割 | サービス例 | 費用の発生ポイント |
|---|---|---|
| 保存 | S3 | 保管する容量 |
| 変換 | MediaConvert | 変換処理の量 |
| 配信 | CloudFront | 視聴されたデータ量 |
保存量と再生回数が費用にどう響くか
オンデマンド配信の費用は大きく2軸で変わります。
保存している容量
動画をアップするごとに蓄積されていきます。
例えば「1本1GB × 100本」で 100GB → 約230円/月 が保管コストになります。
視聴される回数
1人が1GBぶん視聴した場合の配信コストは 約12〜25円。
視聴回数が増えるほど配信コストの割合が大きくなります。
典型的なケース
- 動画1GB × 500再生
→ 500GB配信 → 約6000〜1万2500円前後 - 動画1GB × 50再生
→ 50GB配信 → 約600〜1250円前後
利用量に合わせて素直に料金が動くイメージです。
動画を公開するまでに発生する処理と費用
オンデマンド配信は、アップロードして終わりではありません。いくつかの工程があり、それぞれに料金が紐づきます。
アップロードして保存する
アップロードすると、まずはS3の保存コストが発生します。
例えば1GBなら 約2.3円/月。
再生しやすい形式に変換する
MediaConvertを使って変換します。
標準的なHD動画で 数十円〜数百円程度 が目安。
配信するための準備
CloudFrontでキャッシュが作られ、視聴者に届ける準備が整います。
実際に再生される
再生された量だけ、配信コスト が発生します。
1GB視聴されれば 約12〜25円。
工程が明確なので、予算の見積もりがしやすいのがオンデマンド配信の良いところです。
“最低限必要な作業”を把握しておこう
料金がどのように発生するのかを理解するために、最低限どんな作業が必要なのかを把握しておくと、費用の根拠がつかめます。
作業を知ると費用の仕組みがつかみやすくなる
作業量=手間、というより「費用の根拠」だと考えると理解しやすいです。
料金の流れが作業に紐づく
- 保存する → S3コスト
- 変換する → MediaConvertコスト
- 配信される → CloudFrontコスト
料金体系と作業内容がセットで動く仕組みです。
ライブ配信は準備工程が多くなりやすい
ライブ配信はリアルタイム処理が多いため、下準備が必要になります。
入力設定
配信ソフトからAWSに映像を届けるためのエンドポイント準備。
変換パイプラインの設定
HDやフルHDなど、必要な画質に合わせてパイプラインを用意。
安定した配信のための調整
ビットレートや遅延対策を設定し、安定稼働しやすい状態に整えます。
これらがライブ配信特有の“準備の手間”につながります。
オンデマンドはアップする動画ごとに処理が走る
オンデマンド配信はリアルタイム処理こそありませんが、動画ごとに必要な作業があります。
変換処理の発生
動画の長さや解像度に応じて変換量が変わり、費用も変化します。
保存の積み重ね
動画が増えるほど保管料も増え続けます。
公開設定
再生しやすい形式に整えて、配信準備を整える工程が必ず必要です。
オンデマンドは「動画の本数 × 作業量 × 保存量」という関係で、費用も一定のリズムで積み上がります。
AWSがおすすめな理由
AWSは「必要な分だけ使う」という仕組みが根本にあるため、動画配信サイトのような変動が大きいサービスと相性が良いです。小さく始めて無理なく広げられる点が、初期のハードルを下げてくれます。
使った分だけ料金が動く仕組みがありがたい
いきなり大きな固定費を用意する必要がなく、配信量に合わせて自然にコストが動きます。配信が少なければ支払いも少なく、視聴が増えたときだけ段階的に費用が増える構造です。
固定費ではなく従量課金が中心
- 保存量に対してS3の使用料
- 視聴された分だけCloudFrontの配信コスト
- 必要な処理が行われたときだけMediaConvert/MediaLiveの料金
予算に合わせて使い方をコントロールしやすいのが大きな特徴です。
少量スタートに向いている理由
- 動画本数が少ない → 保存料が小さく収まる
- 視聴が少ない → 配信コストが抑えられる
- テスト配信にも無駄な固定費がかからない
サービス開始初期の動きが読みづらいタイミングでも安心して始められます。
アクセス量に合わせて自然にスケールできる
ユーザーが増えても、環境を作り直す必要はありません。増えた分のトラフィックがそのまま従量分として計上されるだけなので、システムの心配より「どれくらい視聴されるか」に集中できます。
スケール対応の仕組み
- CDN(CloudFront)が自動でキャッシュを広げて配信を最適化
- 再生形式(HLS/DASH)はMediaPackageが整えてくれる
- 追加で設定しなくても視聴が増えれば自然に配信が伸びる
配信のピークに合わせたインフラ準備が不要なため、運用側の負担も軽めになります。
初期費用を抑えつつ始めやすいのが魅力
設備の購入や大規模な構築がいらないため、導入時の費用を最小限に抑えられます。「まずは一本配信してみよう」という取り組みがしやすいのもメリットです。
“スモールスタート向け”のポイント
- 構成を必要最低限にしやすい
- 使いながら必要に応じて調整できる
- 予算の幅を広くとる必要がない
無駄な投資をせずに始められるのは、AWSならではの強みです。
初期費用を抑えるためのコツ
配信量が少ない時期や小規模運用では、構成を整理するだけでも費用が抑えられます。最初からすべてを揃える必要はなく、必要な導線だけ作ってスタートするのが効率的です。
不要な処理を減らすことでコストを調整する
動画配信サイトは、構成を複雑にするとその分だけ処理が増えます。必要な処理だけに絞ると、料金が落ち着きやすくなります。
たとえば減らせるポイント
- 解像度を過剰に増やさない
- 冗長構成を必要以上に大きくしない
- 変換プリセットを用途に合わせて絞る
費用を抑えたいフェーズでは「最低限の快適さ」を基準にすると構成を決めやすくなります。
配信量が少ない時期に向いている構成の考え方
アクセスが読めないサービス開始直後や、限定公開が中心の運用では、軽い構成のほうが扱いやすくなります。
小規模向きの構成例のイメージ
- 保存:標準S3のみ
- 変換:必要な画質だけ
- 配信:CloudFrontの基本設定
- ライブ配信:単一路線の構成で無理なくスタート
視聴数が少ないフェーズでは、このくらいの構成でも十分に運用できます。
まずは“1本の導線”だけ作って動かしてみる
初期はすべてを完璧に揃えるより、最低限の動画を公開できる導線だけ作るほうが効率的です。
シンプルな導線の例
- 動画をアップする
- 変換して公開する
- 再生ページを用意する
- 配信トラフィックを確認する
これだけでも配信サイトとして成立します。構成を増やすのは、必要が出てきてからで大丈夫です。
導線を絞るメリット
- 無駄な設定が減る
- 初期費用を抑えやすい
- 作業負荷が軽くなる
- 改修しやすい
必要になった段階で、冗長化や複数画質の追加などを検討すればムダがありません。
AWSでの動画配信サイトづくりならネクフルにお任せください
AWSで配信サイトを構築する際は、目的や規模に合わせて最適な構成を選ぶことが大切です。ネクフルでは、こうした設計や構築のサポートを幅広く行っています。
ご要望に合わせて構成を最適化します
配信の方法や動画本数、視聴規模などによって必要な仕組みは変わります。無理のない範囲で目的に合う形をご提案できます。
ライブ・オンデマンドどちらにも対応
- ライブ配信の安定運用
- オンデマンド配信の効率化
- 配信規模に応じたCDN活用
用途に合わせて、構成をシンプルにも本格的にも調整できます。
サイトの使いやすさにも配慮
視聴ページや管理画面など、利用者側の動線も踏まえた設計にすることで、運用のしやすさも高められます。
無理のない構築ができるよう伴走します
配信事業を始めるタイミングでは、予算と作業量のバランスを整えることが必要です。ネクフルでは小さく始めたいケースにも柔軟に対応しています。
余計なコストがかからない構成づくり
- 使うサービスを必要なものだけに絞る
- 冗長構成をやみくもに増やさない
- 変換処理を適切な範囲で設定
無駄を避け、配信の目的に合う仕組みを一緒に選んでいきます。
運用しながら調整できる設計
最初から100%を作るのではなく、必要に合わせてステップアップできるよう構成の自由度も確保します。
見積もりや構成の相談だけでも気軽にどうぞ
「いくらくらいでできそうか知りたい」「どんな構成が合うのか聞きたい」など、気軽な相談から対応しています。
気軽に相談できるサポート体制
- 要件整理
- 構成案の提示
- 見積もりの作成
- 段階的なスケール計画
配信に関する疑問や不安も含めて相談しやすい体制を整えています。
初めての方でも安心できる案内
専門的な内容も、難しい言い回しを避けてわかりやすく説明しますので、検討段階でも遠慮なくお問い合わせください。
予算の目安を掴みましょう
費用のイメージがつくと、どの構成が自分に合っているか判断しやすくなります。配信サイトづくりの最初の一歩として、費用の方向性をつかむのはとても大切です。
自分に合った構成が見えてくると安心できる
費用が整理できると「どのぐらいのボリュームで始めるか」が明確になります。
無理のない構成を選びやすくなる
- 配信本数
- 視聴者規模
- 想定する使い方
こうした点と費用のバランスが見えると、必要な構成を選びやすくなります。
ライブとオンデマンドの違いを理解すると予算が作りやすい
費用の動き方がまったく違うため、ここが整理できると迷いが少なくなります。
ライブ配信の費用の特徴
- 配信時間が長いほど費用が伸びやすい
- 視聴者数と同時接続で配信量が決まる
オンデマンド配信の費用の特徴
- 保存量が増えるほど保管コストが積み上がる
- 視聴回数に応じて配信量が動く
方向性の違いがつかめると、予算作成の迷いがかなり減ります。
サービスの整理ができると、選ぶべき構成が分かりやすくなる
費用のイメージがついた状態でサービスを整理すると、必要な機能だけを抜き出せます。
構成を選ぶときの考え方
- まずは完成させたい導線を決める
- ライブかオンデマンドのどちらが中心か決める
- 配信本数と再生量の目安を作る
まとめて並べてみると、「今の段階で必要なもの」が自然に絞られていきます。
無駄のないスタートが切れる
必要な部分だけを揃えて動かし、必要になれば少しずつ広げていく。
この手順が、配信サイトづくりではもっともムダのない進め方です。



