「SNS、同じ投稿ばかりになりがち」と悩む人は多い
毎回投稿しているのに、ふと見返すと内容が似ている。そんなSNS運用のモヤモヤには、きちんと理由があります。まずは「なんでこうなるのか?」を知るところから、投稿の幅を広げるヒントが見つかります。
パターン化は、悪いことじゃない
似た投稿が続くのは、ある意味“安定している証拠”です
いつもお知らせ、キャンペーン、イベント写真…投稿内容が固定化してしまうのは、よくあることです。決して手を抜いているわけではなく、「確実に伝えなきゃいけない情報」をしっかり届けている結果とも言えます。
「お知らせ系」の投稿は運用の基本でもあり、きちんと伝えることは大事です。ただ、それだけが続くと受け手にとっては流し読みになりやすく、反応(いわゆる“エンゲージメント”)が落ちてくることもあります。
一見マンネリに見える投稿も、裏を返せば“やるべきことはやっている”ということ。まずは、無理に否定しなくて大丈夫です。
「投稿=作業」になってしまうのが落とし穴
投稿ルーティンが、気づかないうちに“こなすだけ”になっているかもしれません
SNS運用は、日々の業務の中のほんの一部。広報を専門でやっているわけではない、という担当者も多いです。その中で「今週も何か出さなきゃ」と思いながら、前と同じ構成・写真・文章で済ませてしまうのは自然な流れです。
特に予定が詰まっている日には、過去の投稿をコピペして少し変えるだけで済ませたくなるものですし、それを“手抜き”と感じる必要はありません。
ただし、この状態が長く続くと、発信が“止まっていないけれど動いていない”状態になるのが悩みどころ。変化が生まれないと、見ている側も気づきにくくなってしまいます。
マンネリから抜け出そう
「本当はもうちょっと違う投稿がしたいのに」そう思っていても、実際の投稿はいつもと同じ。そんな状態から抜け出すには、まず“止まってしまう理由”を見てみましょう。
「このままでいいのかな」と思ったら
変えたいと思っているのに変えられないのは、迷いがある証拠です
「うちのSNS、ちゃんと意味あるのかな」
「そろそろ違う内容も入れたいけど、どうしよう」
そんなふうに思っていても、すぐに動けないことってよくあります。
新しい投稿内容を考えるには、アイデアだけじゃなく、時間と気力も必要です。いつもと違う投稿をすれば、見ている人の反応が変わるかもしれない。それがプラスかマイナスかは出してみないとわからない。だからこそ、「新しいことをする」には少し勇気がいるのです。
頭の中に「あれも書いてみたい」「この写真も使えるかも」という素材があっても、それをどうまとめて、どんな言葉にすればいいのかが見えてこない。そうやって、投稿が止まってしまうケースもあります。
アイデアがあっても形にならない時は
“思ってはいるけど言葉にできない”というジレンマに陥ることも
投稿のネタを思いついたとしても、それを文章にするには一歩踏み込んだ“構成力”が必要です。
「何を伝えたいか」「どんな順番で書くか」「どんな写真が合うか」…そうしたことを一つひとつ決めていくのは、意外とエネルギーを使います。
とくに業務の合間や休憩時間に投稿を考えていると、集中力が続かないこともあります。
アイデアを拾っても、まとめる時間がなくて流れてしまう。そんな毎日を繰り返していませんか?
少しずつでも「書けそう」「出せそう」と思える状態をつくること。これが次の一歩につながります。無理して投稿するのではなく、“気軽に動かせる投稿のヒント”があると、気持ちもラクになります。
投稿に悩んだらAIに相談してみよう
「何を書こう…」と手が止まったとき、誰かに「こんなのどう?」とアイデアを出してもらえたら助かりますよね。AIは、そんな“ひと声”をくれる存在としてうまく使えます。ちょっとした発想の転換や、言葉の言いかえも、AIなら気軽に頼めます。
思いつかなかった視点をくれることがある
「そういう見方もあったか」と気づかされるやりとり
投稿のアイデアに詰まってしまったとき、AIにざっくりと「最近こんなことがあったんだけど、投稿ネタになるかな?」と投げかけてみると、思わぬ切り口で返してくれることがあります。
たとえば「展示会に行った」という出来事を、
・ブースで印象に残った会話からヒントを得る
・会場の雰囲気を一言で伝えるようなコピーを書く
・「イベントレポート」ではなく「気づき共有」という見せ方に変える
といったように、自分では思いつかなかった見せ方の提案をしてくれることがあります。
話すように入力しても、ちゃんとそれらしいアイデアに仕立てて返してくれるのが便利なところです。
同じ内容でも、表現を変えるだけで反応が変わる
言い回しが違うだけで、伝わり方も変わってくる
たとえば、次のような例を見てみてください。
内容 | いつもの言い方 | 表現を工夫した言い方 |
---|---|---|
イベントのご案内 | 「◯◯に出展します!」 | 「“◯◯のあの空気”、現地で体感してきます」 |
社内の様子 | 「スタッフが勉強会を開きました」 | 「こんなテーマで盛り上がりました📚」 |
商品の紹介 | 「新商品発売しました」 | 「“迷ったらこれ”な新商品、登場です」 |
同じ情報でも、少しカジュアルにしたり、言い方を変えるだけで“見たい・読みたい”気持ちにスイッチが入ることがあります。
AIを使えば、いくつかの表現パターンを提案してもらえるので、自分で言葉を練り直す手間も減らせます。
AIに頼っていい場面、ちょっと注意したい場面
得意なことと、少し不得意なことがあります
AIは「情報を要約する」「言い回しを変える」「視点をずらす」といったことが得意ですが、「伝えたい気持ち」や「ちょっとしたニュアンス」は、どうしてもズレることがあります。
たとえば「忙しい中でも前向きに頑張っている姿を伝えたい」と思っていても、AIの文章が冷静すぎて、“一歩引いた他人事”のような文体になることもあります。
「こういうことを言いたいんじゃないんだけどな…」と感じたら、そのまま使わず、
・自分の言葉で書きなおす
・AIの案をたたき台にして書き直す
といったかたちで調整していくと、自分らしさをキープできます。
AIにまかせすぎには注意
AIは便利ですが、文章を丸ごと任せてしまうと、“あれ?自分っぽくないな”という違和感が出てくることがあります。大事なのは、無理せず「ちょうどいい使い方」を見つけることです。
自分の投稿なのに、自分の言葉じゃない気がする
読んだときに「あれ?自分ってこんな書き方する?」と感じる瞬間
たとえば、いつもは絵文字や話し言葉を交えて投稿していた人が、AIに文章を全部任せてしまったとき、急にお堅い、どこかで見たような投稿になってしまうことがあります。
「○○のご紹介です」「○○を開催いたしました」など、丁寧ではあるけれども距離感のある言い回しが続くと、受け取る側も「なんとなく広報っぽいな」と流してしまいます。
書き手本人も「なんだか“自分の投稿じゃない”みたいだな」と感じたら、それは少し頼りすぎのサインかもしれません。
読んでいる人にも“らしさ”は伝わっている
文章の“トーン”は、見ている人に意外と伝わっています
いつも明るいトーンで投稿していたのに、ある日だけ文章が妙にかたいと、「あれ?」と違和感を覚える人もいます。
一貫したトーンや語り口があると、見る人の頭の中で「この投稿はあの人(この会社)だな」と認識しやすくなります。逆に言うと、AIに文章をまるっと任せてトーンが変わってしまうと、“誰が話しているのかわからない投稿”になるリスクもあるのです。
AIの力を借りるときは、“自分が言いそうなこと”や“らしい口調”に直すだけで、ぐっと伝わりやすくなります。完璧じゃなくて大丈夫です。少しのひと工夫が、読み手との距離感をぐっと縮めてくれます。
AIを使うならこれくらいのバランスで
「AIを使う」と聞くと、なんだか難しそうに感じるかもしれません。でも、実際はもっと気軽な使い方でOKです。ちょっとした言いかえやネタ出しのヒントをもらうだけでも、投稿の幅が自然に広がっていきます。
思いついたことをそのまま投げてみる
メモ感覚でAIに話しかけると、思わぬヒントが返ってくることもあります
たとえば「昨日、店頭でお客さんとこんなやりとりがあった」とか、「この写真、どう説明すればいいかわからない」といった断片的な内容でも大丈夫です。
その内容をAIにそのまま伝えると、「それを投稿するならこんな見せ方もありますよ」といくつかの切り口を提案してくれることがあります。
単語や一文でもOK
・「今日はスタッフ同士で商品撮影してました」
・「お客さんから“これ便利ですね”と言われた」
・「雨だったので外観写真が使えない」
こういったちょっとした情報でも、AIなら「SNSで紹介するならこうまとめるのはどう?」というアドバイスをくれます。ネタ帳にメモする感覚で試してみると、気楽に始められます。
言いかたをやわらかくしたいときの頼み方
「この言いかた、ちょっとかたいかも?」と思ったら、AIにゆるめの表現を相談してみましょう
たとえば、自分が書いた文章がこんな感じだったとします。
本日、◯◯を開催いたしました。たくさんの方にご参加いただきありがとうございました。
このままでも問題はありませんが、少しかたく感じるときは、「もっとやさしい言い方に変えて」とAIに頼んでみてください。返ってくる例としては、
今日の◯◯、たくさんの方に来ていただきました。ありがとうございました!
や、
◯◯、無事に終了しました!ご参加いただいた皆さまに感謝です!
といった具合に、投稿にちょうどいいトーンに変えてくれます。
言いかえ例を複数提案してもらえるので、「これはちょっと違うな」と思ったものは無視して、自分の言葉に近いものだけ使えばOKです。
前に書いた投稿から、別の切り口を引き出してもらう
過去に書いた投稿があるなら、それを“素材”にするのもおすすめです
たとえば「去年の投稿をベースに、今年っぽい内容にしたい」ときや、「この話、もっと別の角度で伝えたい」と思ったとき。
AIに前回の投稿を見せて「これをもとに、違う言いかたで3パターンください」と頼んでみてください。
どう変わるのか?例を見てみましょう
元の投稿 | 切り口1(視点を変える) | 切り口2(写真を主役に) | 切り口3(一言キャプション風) |
---|---|---|---|
新しいパッケージになりました! | 今回の変更、実はこんな工夫があるんです | 写真で伝える“ここが変わった” | パッと見でわかる!変化ポイント |
このように、同じ内容でも「何を主役にするか」「どこに注目してもらいたいか」で投稿の印象が大きく変わります。
こういった発想の“補助輪”としてAIを使うと、意外と手放せなくなるかもしれません。
投稿にちょっと“自分の気配”を残す
AIに手伝ってもらった投稿でも、最後に少しだけ自分の言葉を加えると、ぐっと自然に見えるようになります。
読んでいる人との距離感を縮めるための、ちょっとした工夫をご紹介します。
ひとこと添えるだけで“自分らしさ”が出てくる
文章の最後に自分の気持ちを少し足すだけで、読み手に伝わる印象が変わります
たとえば、AIがまとめた内容がこちらだったとします。
新しいスタッフが入りました。これからどうぞよろしくお願いします。
そこに、自分の実感を加えるとどうなるでしょうか。
新しいスタッフが入りました。これからどうぞよろしくお願いします!
とても明るくて、初日から頼もしさを感じました。
このように、“ちょっとした気持ち”を添えるだけで、その人らしさがにじむ投稿になります。
全部を自分で書かなくても、「最後の一文は自分で」と決めるだけでも、投稿の雰囲気が変わってきます。
「しゃべるように書く」ってどうやる?
難しく考えず、「自分が誰かに話すように書く」だけでOKです
投稿がかたくなりがち、という場合は、書き言葉を少し話し言葉に寄せてみましょう。
例:
- 「ご案内いたします」 → 「お知らせします」
- 「開催されました」 → 「やりました」
- 「ご利用いただけます」 → 「使えます」
少しだけ“しゃべるように”変えると、堅すぎない、ちょうどいいトーンの投稿になります。
一文まるごと変えるのが難しければ、語尾をやわらかくするだけでも大丈夫です。
「〜しました!」にするだけでも、ぐっと読みやすくなります。
AIが出した文章をそのまま使うより、自分の言葉にちょっと寄せるだけで、“らしさ”が伝わる投稿に近づいていきます。
無理して自分を出す必要はありませんが、「これ、自分の投稿だな」と思える文章になっていれば、それがベストです。
お知らせばかりだった投稿に変化が生まれる
毎回「◯◯のお知らせです」「イベント開催します」といった投稿が続いていたSNSでも、内容に少しだけ幅を持たせたことで、フォロワーの反応が変わってきた例があります。投稿数を増やしたわけではありません。ただ“見せ方”を変えただけ。それでも、ちゃんと違いが出ました。
投稿がワンパターンでも続けていた理由
広報担当者の本音は「手が回らない」「時間がない」
ある地方の専門サービス業では、SNS運用を事務と兼任する社員がひとりで担当していました。
当初の投稿内容は、毎週の営業案内やキャンペーンのお知らせ。テンプレート的に写真と告知文を合わせて更新していました。
フォロワーの動きはゆるやかで、「見られている実感はないけど、とりあえず続ける」という状態。忙しさの中で「今はこれが精一杯」という感覚だったそうです。
内容を広げるきっかけになったのは、AIの提案だった
「この話題、投稿にできるかも」と気づけたのが始まり
あるとき、AIに「今週あった小さな出来事」をいくつか伝えたところ、「これはSNSで“裏話”として出すと面白いかもしれません」という提案が返ってきました。
たとえば、
- 商品撮影中にスタッフが試食していた感想
- イベント準備中のちょっとした工夫
- 来店客からの何気ないひとこと
これらは、これまで「SNSに出すようなことじゃない」と思っていた内容です。
でも、「こういう話があると親近感が出ますよ」とAIに言われて、試しに投稿してみたら意外と反応が良かった、という流れでした。
「話すような投稿」が少しずつ増えていった
身近な話題に、ふだん通りの言葉を添えるだけ
その後は、商品紹介や営業案内の合間に、
- 「今日はこんな出来事がありました」
- 「スタッフ間でちょっと盛り上がった話です」
といった“会話っぽい投稿”を交えるようになりました。
フォロワーからは「こういう話好きです」「裏側知れるのうれしいです」といったリアクションが増え、AIが出した切り口が投稿のバリエーションとして定着した例です。
少しずつ投稿のスタイルが増えたことで、「次は何を書こうか」と考えるときの選択肢が広がった、と担当者は話していました。
“AIと付き合う距離感”が大事
投稿を続ける上でいちばんの悩みは「ネタ切れ」と「書く気力が続かない」ことかもしれません。だからこそ、気負わずに使える道具として、AIがちょうどいい距離にいると安心です。
投稿の“準備”がラクになると、気持ちにも余裕が出る
いちばんつらいのは「何を書けばいいのか思いつかない」とき
SNSを続けるには、“書くネタがある状態”をつくっておくのがポイントです。
そのために役立つのが、**AIによる「ネタのたたき台」**です。
気軽な雑談でもいいので、AIに「こんな話があった」と伝えると、「こう書くとよさそう」という提案がもらえます。
あくまでアイデアの種として受け取ることで、“自分で考えなきゃ”という負担が軽くなるのが利点です。
手を止めずにすむ環境があるだけで、気持ちのハードルが下がります。
書くのは自分。だけど、ひとりじゃない感覚
AIは代わりにやってくれる存在ではなく、話を整理してくれる人のような存在
AIに文章を任せっぱなしにするよりも、「一緒に考えてくれる存在」くらいの距離感がいちばん使いやすいです。
たとえば、
- アイデアを整理したいときに相談する
- 書きかけの文を整えるために使う
- 過去の投稿をもとに別バージョンを出してもらう
このように、“ちょっと手を貸してもらう”くらいの使い方をすることで、自分らしさは保ったまま、投稿がラクに続けられるようになります。
すべてを任せる必要はありません。むしろ、自分の言葉を大事にするためにAIを使う。そのくらいのスタンスで付き合っていくと、気負わずに続けられます。