観光資源の効果的なSNS発信とは!? X・Instagram・TikTok・YouTube・Facebookを使い分けよう

観光資源

こんにちは。株式会社ネクフルです。

観光地の魅力は、発信の仕方次第で広がり方が変わります。Xで今を伝え、Instagramで写真に惹かせ、TikTokで楽しさを感じさせる──SNSはそれぞれ得意分野が違います。ひとつに絞るより、組み合わせて使うことで“伝わる力”はぐっとアップ。この記事では、主要SNS5つの特性と、観光資源にぴったりなミックス活用のコツをまとめました。発信のヒントを探している方におすすめです。

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  1. 観光地の魅力、ちゃんと届いてる?
    1. 投稿しているのに人が来ない理由
    2. 埋もれてしまう発信には、共通点がある
  2. すべては「見つけてもらう」から始まる
    1. 偶然の出会いが訪問のきっかけになる
    2. 従来の広報とは何が違う?
    3. 若年層はSNSを“きっかけ”として使っている
  3. 写真で惹きつけるならInstagram
    1. パッと見て伝わる強みを活かす
    2. “映え”だけを狙うと伝わらない
    3. 写真にひと工夫を加えて魅力を引き出す
    4. 見る人に“保存したい”と思わせる投稿を目指す
  4. TikTokで伝える“楽しさ”と“空気感”
    1. 一気に届く拡散力と若年層への強さ
    2. 軽さの裏にある“信頼性”の課題も意識しておく
    3. テンポと音で空気を伝える構成に
    4. 伝えたいのは“楽しそう”という感情
  5. “物語”で魅力を伝えるYouTube
    1. 滞在時間が長いからこそ深く伝わる
    2. 編集や撮影のハードルをどう乗り越えるか
    3. 物語で見せる“体験の再現”が心に残る
  6. X(旧Twitter)で今の“熱”を届ける
    1. 「今ここで起きてる」が共感される
    2. 情報が流れやすいからこそ注意が必要
    3. 投稿内容は“実況”のつもりで考える
    4. タグや投稿タイミングで反応が変わる
  7. Facebookは“地域との関係性”を育てる場所
    1. 地元との接点づくりに向いている
    2. 若年層へのアプローチには工夫が必要
    3. 伝え方は“丁寧さ”と“人の気配”がカギ
    4. “語り口”が読まれる投稿をつくる
  8. 発信の工夫が成果につながる
    1. Instagramの“見せ方”を少し変えただけで来訪者が増えた例
    2. Xでの“今日の景色”投稿が問い合わせに直結した例
  9. 「伝えること」が「つながること」に変わる発信を
    1. フォロワー数より“共感の質”を大切にする
    2. どんな関係を築きたいかがSNS選びのヒントになる
    3. はじめの一歩に必要なのは“完成度”じゃない

観光地の魅力、ちゃんと届いてる?

SNSで発信しているのに反応がいまいち…そんな声をよく聞きます。どんなに魅力的な観光資源があっても、届かなければないのと同じ。まずは「届いていない理由」と向き合うことから始めましょう。

投稿しているのに人が来ない理由

情報の“質”ではなく“伝え方”が原因かもしれません
どれだけ良い写真や丁寧な説明を投稿しても、そもそも届いていないケースは少なくありません。大切なのは、その情報が「誰に」「どう届くか」。SNSはアルゴリズムによって表示される投稿が変わるため、何も考えずに投稿するだけでは埋もれてしまうのが現実です。

対象がぼやけていると、誰にも刺さらない
「誰でも見てくれたらいいな」という姿勢では、結果として誰の目にも止まらないことがよくあります。投稿ごとに“誰に見せたいか”を明確にし、それに合った言葉や写真、タイミングを選ぶことが必要です。

埋もれてしまう発信には、共通点がある

一方通行になっている
案内文のような説明だけでは心が動きません。SNSでは、見る人の感情にふれる視点が必要です。「行ってみたい」「やってみたい」と思わせる“想像の余白”を投稿に含めると、反応が大きく変わります。

発信の“目的”が明確でない
イベントの集客をしたいのか、認知を広げたいのか。目的によって、選ぶSNSや投稿内容は変わります。目的がふわっとしていると、発信自体もあいまいになり、見た人にも伝わりにくくなります。

すべては「見つけてもらう」から始まる

SNSは単なる広報ツールではありません。見つけてもらい、気になってもらい、動いてもらうまでの流れをつくれる存在です。ここでは、SNSが“発見の場”としてどんな役割を果たしているかを見ていきます。

偶然の出会いが訪問のきっかけになる

「なんとなく見てたら気になった」が強い
InstagramのおすすめやTikTokのレコメンド、Xの拡散機能など、SNSでは自分がフォローしていない投稿も日常的に流れてきます。これが“偶然の出会い”につながります。

計画よりも、気分や直感が優先される
特に若年層は、旅行を綿密に計画するより、「面白そうだから行ってみる」という行動が多い傾向にあります。SNSは、そうした行動のトリガーとして非常に相性がいいメディアです。

従来の広報とは何が違う?

     チラシ・HPSNS
情報の流れ 一方通行 離脱・保存・シェアなど動きがある
拡散性   なし   フォロワー外にも届く可能性がある
ターゲット設定広く曖昧 発信ごとに細かく設定できる
更新頻度  低い   日常的に発信できる

“公式感”より“個人感”が反応を呼ぶ
HPやパンフレットでは伝えきれない温度感が、SNSでは投稿ににじみます。親しみやすさや、リアルさを含んだ発信のほうがよく届きます。

若年層はSNSを“きっかけ”として使っている

検索エンジンよりも先にSNSで探す行動が主流
Z世代を中心に、「GoogleよりInstagramで検索」が日常になっています。位置情報やハッシュタグで見つけられるため、SNS上に“探される準備”ができているかが重要です。

レビューより、実際の利用者の投稿が参考にされる
施設紹介やパンフレットよりも、「誰かが楽しそうに体験している動画」の方が信頼されやすい傾向があります。投稿の質よりも、“等身大の体験”が求められているのです。

写真で惹きつけるならInstagram

視覚で伝えるInstagramは、観光地の魅力をダイレクトに届けやすいSNSです。ただし、ただ“映える”だけでは、記憶にも行動にもつながりません。“惹かれる”投稿を意識して、写真の力を最大限活かしましょう。

パッと見て伝わる強みを活かす

写真が主役のSNSだからこそ直感で選ばれる
Instagramは、スクロール中に一瞬で目に留まるかどうかが勝負です。文章よりも写真が先に目に入るため、観光地の魅力が写真1枚で伝わるよう意識することが大切です。視覚的なインパクトは、静かなブームの火種にもなります。

観光資源との相性が抜群なジャンル
たとえば、四季の風景、ご当地グルメ、アート体験などは“見た瞬間に行きたくなる”ジャンルです。自然や文化など、その場に行かないと体験できない価値を切り取るのがInstagramの得意分野です。

“映え”だけを狙うと伝わらない

見た目を盛りすぎると、逆効果になることも
SNSの投稿でよくあるのが、“映える構図”や“過剰な加工”にこだわりすぎて、実際に現地を訪れた人とのギャップが生まれてしまうケースです。「思っていたのと違った」と感じさせてしまえば、リピーターや口コミにはつながりません。

感情が乗らない写真はスルーされる
きれいな風景や食べ物の写真だけでは、タイムラインの中に埋もれてしまいます。そこに写っている人の表情や、エピソードの匂いがあると、“自分ごと”として見てもらいやすくなります。

写真にひと工夫を加えて魅力を引き出す

構図の工夫が“惹かれる”写真をつくる
真ん中に対象を置くだけでは、印象に残る写真にはなりにくいもの。背景に余白をとったり、斜め構図を使ったり、被写体の手前に小物を入れることで立体感を出したりするなど、少しの工夫で目に止まりやすい写真になります。

色調は投稿全体で統一感を意識する
写真1枚ずつがバラバラだと、プロフィール画面を見たときの印象が弱くなります。ナチュラル系、あたたかみのあるトーン、明るめの青が多い構成など、発信するアカウント全体に一貫性があると、フォローされやすくなります。

工夫できるポイント具体例
構図三分割構図、引きで人を小さく写す、あえて被写体を隅に寄せる
色味トーンを統一する、季節ごとに色を絞る
被写体人の後ろ姿、手元、食べかけの料理などリアル感のあるカット

見る人に“保存したい”と思わせる投稿を目指す

ただ見られるより、保存される投稿が強い
Instagramでは「いいね」よりも「保存」が重要な評価指標になっています。見る人に「あとで行ってみたい」「またチェックしたい」と思わせる情報や切り口があると、保存率が上がります。

保存されやすい投稿には特徴がある
情報として“役立つ”、写真として“美しい”、気持ちとして“共感できる”といった要素がそろっていると、保存されやすくなります。たとえば、季節ごとの楽しみ方や、おすすめの時間帯・ルートなどの具体的な情報が含まれた投稿は、参考にしたいと思われやすいです。

TikTokで伝える“楽しさ”と“空気感”

TikTokは、短い動画でその場の楽しさをダイレクトに伝えるのが得意なSNSです。テンポや音楽の選び方しだいで、観光地の印象は一瞬で変わります。言葉では伝えきれない空気感こそ、TikTokが力を発揮するところです。

一気に届く拡散力と若年層への強さ

“バズる”ことで一夜にして注目を集められる
TikTokの強みは何といっても拡散力。フォロワーが少なくても、動画の完成度や音源との相性がよければ、急激に再生数が伸びることもあります。観光地でのユニークな体験や、季節のイベントなどは特に相性がいい題材です。

10代〜20代前半に刺さる構成が重要
TikTokの利用者層は若年層が中心。投稿のテンポや内容も、その層に刺さるように設計しないと、すぐにスワイプされてしまいます。観光地の“映え”より、“面白い”“気持ちいい”“やってみたい”の感情に訴える構成を意識しましょう。

軽さの裏にある“信頼性”の課題も意識しておく

演出が行きすぎると現実とかけ離れる
過剰な編集やエフェクトで実際の風景と違いすぎる映像になると、信頼を損ねる恐れがあります。見た人が「行ってがっかりした」と感じれば、ファンではなくアンチを生むことにもつながります。

情報が残らない“流し見”になりやすい
短い動画は記憶に残りにくく、情報量も限られます。必要に応じてコメント欄や投稿文で補足したり、他SNSとの連携でフォローアップを設計することも大切です。

テンポと音で空気を伝える構成に

動画は“間”で印象が決まる
音楽のリズムに合わせたカット割りや、テンポよく展開するストーリー仕立てがあると、最後まで見てもらいやすくなります。逆に、間延びした構成はすぐに飛ばされる傾向にあるため、動画は15〜30秒程度を基本にまとめるのがベストです。

流行の音源を使って「自分ごと化」させる
TikTokでは人気の音源を使うとアルゴリズムで優遇されやすくなります。「自分もこれやってみたい」と思わせる構成と、真似しやすい演出を取り入れると、フォロワー外にも届きやすくなります。

伝えたいのは“楽しそう”という感情

体験の魅力は、言葉よりも動きが伝える
アスレチック、グランピング、陶芸体験、川遊びなど──動きがある観光資源はTikTok向きです。BGMと組み合わせて、“見ているだけでワクワクする”構成にすれば、訪問意欲を強く引き出すことができます。

見ている人が自分と重ねやすい視点で撮る
撮影者の主観視点や、あえて子ども目線・ペット目線で撮るなど、視点を変えるだけで没入感が増します。表現に凝るより、感情に届く工夫が重要です。再生回数の多い動画は、驚くほどシンプルな構成であることも珍しくありません。

“物語”で魅力を伝えるYouTube

じっくり観てもらえるYouTubeは、観光地の空気感や背景にあるストーリーを丁寧に届けたいときに最適です。一方で、制作に手間がかかるため、しっかりとテーマを定めた発信が効果を高めます。

滞在時間が長いからこそ深く伝わる

長尺だからこそできる“関係性”の構築
YouTubeの視聴時間はInstagramやTikTokよりも長く、1~3分以上のコンテンツも日常的に視聴されています。情報をただ並べるだけでなく、感情や流れをもって伝えることで、視聴者の印象にも残りやすくなります。

“ガイドブックに載っていないこと”が響く
施設紹介や観光案内ではなく、「現地の人が教えてくれた穴場」や「実際に体験してみた感想」など、ちょっとしたリアリティや人間味があると、共感されやすくなります。

編集や撮影のハードルをどう乗り越えるか

準備に時間がかかるからこそ、テーマ設定が重要
すべてを詰め込むのではなく、動画ごとに伝えたいメッセージをひとつに絞ると、構成も組み立てやすくなります。たとえば「紅葉がきれいな朝の時間帯だけを追った動画」など、切り口を限定することで制作の負担も軽くなります。

撮影はスマホでも十分。自然光と安定感を意識するだけで変わる
高価な機材がなくても、光の取り入れ方と手ブレを防ぐ工夫だけで仕上がりの印象は大きく変わります。明るい時間帯を選んだり、三脚やスタビライザーを使うなど、撮影環境の工夫でクオリティを上げられます。

準備のポイント工夫できること
撮影場所選び映像に動きが出る場所を選ぶ(風景+人など)
音声対策BGMかナレーション、どちらかに統一する
動画の長さ初心者は2〜3分を目安に構成すると編集しやすい

物語で見せる“体験の再現”が心に残る

誰かの体験を追体験する動画が人気
「〇〇をやってみた」「〇〇で聞いてみた」といった体験型コンテンツは、視聴者が自分に重ねて想像しやすくなります。感情の動きが含まれていると、情報よりも印象に残ります。

ナレーションよりも“会話”があると自然に響く
一人語りより、案内する人と話す会話形式や、現地の声が含まれる方がリアルに伝わります。「どうでした?」「楽しかったですね!」といった自然なやり取りがあると、画面の向こうにいる人との距離が縮まります。

X(旧Twitter)で今の“熱”を届ける

観光地の“今”を伝えるならXの出番。季節感、空気感、ちょっとした出来事まで、リアルタイムで発信できる強さがあります。速報性と手軽さを活かせば、短い投稿でもしっかり興味を引くことができます。

「今ここで起きてる」が共感される

今日の空模様や花の開花状況など、“今”の景色が武器になる
リアルタイムの投稿は、遠くにいる人にもその場所の空気感を届けることができます。「今日の川沿いはこんな感じです」「桜、咲き始めてました」といった投稿は、予定になかった訪問のきっかけになることもあります。

イベントの直前・直後は拡散力が高まる
現地で開催されているイベントの開始前や盛り上がり中の様子を投稿すると、検索・拡散の対象になりやすくなります。イベント紹介ではなく、現場の空気そのものを伝えるスタンスがカギです。

情報が流れやすいからこそ注意が必要

炎上や誤解が生まれやすい面もある
拡散力があるぶん、表現や言い回しには注意が必要です。意図しない受け取られ方をされてしまうと、地域や施設の信頼に関わることもあります。必要なら事前に関係者のチェックを挟むのも一つの方法です。

投稿は“続ける”ことが大切
単発での投稿はすぐに流れてしまうため、日常的な更新を心がけることが大切です。1週間に1回でも構いません。継続することで、フォロワーとの関係性が育ちやすくなります。

投稿内容は“実況”のつもりで考える

現地にいなくても“見えてくる”投稿を目指す
投稿文だけでなく、写真や動画を添えると情報量が格段に増えます。「今日はこんな風景」「人が増えてきました」など、現地の雰囲気が浮かぶような視点で投稿すると反応も高まります。

実況っぽさを活かすなら、テンポが大事
連続ツイートやスレッドで流れをつくると、読みやすくなります。午前・午後・夕方の変化を分けて投稿したり、イベントの開始前→開催中→終了後を追うスタイルも効果的です。

タグや投稿タイミングで反応が変わる

ハッシュタグは地域名+状況が効果的
「#〇〇の桜」「#△△で紅葉見てきた」など、地域名と組み合わせたタグは、検索されやすく、拡散にもつながりやすいです。トレンド入りを狙う必要はなく、見つけてもらいやすい工夫をするのが目的です。

投稿する時間も意識してみる
早朝や深夜は閲覧数が伸びにくく、昼休みや夕方以降はスマホを見る人が増える傾向にあります。投稿のタイミングは、平日と休日でも違うため、手応えがよかった時間帯を見つけていくと効率的です。

Facebookは“地域との関係性”を育てる場所

観光地に何度も足を運んでくれるような“関係人口”を増やしたいとき、Facebookは頼れる存在です。拡散よりも“つながり”に重きを置いた投稿設計ができれば、長く応援してくれるファンと出会える可能性が広がります。

地元との接点づくりに向いている

地域の声が届きやすい媒体
Facebookは、シェアやいいねよりも、投稿へのリアクションやコメントが深くなる傾向があります。イベント報告や地域の出来事を丁寧に紹介すると、「それ見ました」「行ってきました」といったフィードバックを受け取りやすくなります。

シニア層にも届きやすい
他のSNSと比較して年齢層がやや高めで、50代〜60代の利用率も安定しています。地元の方やリピーター向けに“ゆっくり読める投稿”を届けたいときにはFacebookが適しています。

若年層へのアプローチには工夫が必要

拡散力には限界がある
10代〜20代のアクティブユーザーは少なく、バズ目的の発信には不向きです。ただし、投稿があまり流れずに残るため、静かに広がる“じわ伸び”タイプの反応は期待できます。

他SNSと連携すると効果的
Facebook単体では届きにくい層にも、InstagramやXで投稿を紹介したり、YouTube動画へのリンクを設置したりすることで広がりやすくなります。あえてFacebookだけに頼らない設計を意識しましょう。

伝え方は“丁寧さ”と“人の気配”がカギ

文章量をいとわない投稿が効果的
Facebookでは長文が好まれる傾向があり、エピソードや思いをしっかり綴る投稿に対して反応が返ってきやすくなります。「なぜこの企画を始めたか」「どんな風に地域と関わっているか」など、背景を含めた丁寧な発信が向いています。

写真と文章のセットで“情景”を届ける
写真は1枚でも構いませんが、文章としっかり組み合わせることで印象がぐっと強くなります。風景だけでなく、人の笑顔、手仕事の様子、会話のワンシーンなど、温度感のあるカットを使うと、読まれたあとに“じんわり”と伝わります。

投稿のスタイル有効な要素
長文エッセイ調取り組みの背景、地域との関わり、過去の様子など
写真付き報告投稿イベント当日の様子、来場者の声、準備風景など
コミュニケーション型コメントへの丁寧な返信、メッセージでのやりとり

“語り口”が読まれる投稿をつくる

フォーマルすぎず、ラジオのような語りかけを意識する
「〇〇が開催されました」ではなく、「今日こんな出来事がありました。びっくりしたけど、すごく嬉しかったです」といった自然な言葉づかいが好まれます。文章に表情があると、読んだ人との距離が近づきます。

“地元の人に話しかけるつもり”で書いてみる
遠くの誰かに向けた宣伝ではなく、知っている人に近況報告するような気持ちで投稿すると、共感が生まれやすくなります。読み手が“その場にいた気持ち”になれるような空気感づくりがポイントです。

発信の工夫が成果につながる

実際にSNS運用を見直したことで、観光客が増えたり、問い合わせが明らかに変わったという事業者の声も出てきています。ここでは、2つの具体例を紹介します。

Instagramの“見せ方”を少し変えただけで来訪者が増えた例

構図を意識することで保存数が伸びた
ある旅館では、Instagramの投稿内容を「人の気配を感じられる構図」に変更しました。それまでは客室だけの写真や料理の接写が中心でしたが、客室でくつろぐ後ろ姿や、料理を運ぶスタッフの様子などを投稿したことで、保存数が2倍以上に増加。投稿から予約ページへの遷移率も大きく改善されました。

Xでの“今日の景色”投稿が問い合わせに直結した例

天気や花の様子をこまめに発信した農園の取り組み
郊外の観光農園では、Xを使って「今日の空」「花の開花状況」「混雑状況」などを毎朝投稿。リアルな情報を短文で届けることで、投稿を見た人から「今から行っても入れますか?」といった問い合わせが増え、実際の来場者数にも変化が表れました。

“見て安心できる”発信が背中を押す
現地のリアルタイムな様子を見せることで、行動への心理的ハードルを下げられたのがポイントでした。情報よりも、“現場の空気”が決め手になることは少なくありません。

「伝えること」が「つながること」に変わる発信を

SNSを使う目的は、単なる情報拡散だけではありません。地域の魅力を届けることで「共感」を生み、それがやがて「信頼」や「関係性」につながっていきます。うまくやろうと気負うよりも、自分たちらしい視点で伝えることが一番の近道です。

フォロワー数より“共感の質”を大切にする

発信=即集客ではなくてもいい
SNSの効果は、目に見える数字だけでは測れません。「何人来たか」よりも、「誰と関係ができたか」を意識することが、長期的な観光戦略では大きな意味を持ちます。共感される発信は、一度きりでは終わらず、やがてリピーターや発信の“応援団”につながることもあります。

“らしさ”がにじむ投稿に人は引き寄せられる
完璧な写真や整った文章よりも、その地域にしかない“雰囲気”が伝わる投稿の方が印象に残ります。SNSを通して目指すのは、「行ってみたい」だけでなく、「話してみたい」「また会いたい」と思われるような空気感です。

どんな関係を築きたいかがSNS選びのヒントになる

“相性”を見極めると運用がラクになる
すべてのSNSに同じ力を入れる必要はありません。それぞれのSNSには向き・不向きがあり、地域の魅力や届けたい相手に合った媒体を選ぶことが、無理なく続けられるコツです。

目的相性がいいSNS向いている発信内容
認知拡大・話題づくりTikTok・Xイベント告知、旬な話題、体験動画など
世界観の発信Instagram・YouTube写真・動画でのブランディング、丁寧な紹介
地域住民・ファンとの関係づくりFacebook・X地域情報、イベント報告、対話的な投稿

届けたい“誰か”を具体的に思い描いてみる
「若い世代に知ってほしいのか」「ファミリー層に体験してもらいたいのか」「地元とのつながりを深めたいのか」。発信相手が明確になると、言葉のトーンも写真の選び方も変わってきます。まずは届けたい人の顔を想像することから始めてみましょう。

はじめの一歩に必要なのは“完成度”じゃない

不完全でも、動いたほうが得るものは多い
「撮影の仕方がわからない」「文章がうまく書けない」――そんな不安で止まってしまうケースもありますが、SNSでは“人らしさ”のほうが共感されます。洗練されていなくても、「いいな」と思った瞬間を素直に伝えるだけで、受け取ってもらえることはたくさんあります。

“続けられるスタイル”を見つけよう
毎日投稿しなくても大丈夫です。週1回の更新でも、見ている人との関係性は育ちます。負担なく続けられる投稿スタイルや頻度を自分たちのペースで見つけていくことが、何より大切です。

発信が「地域の文化」になると強い
地域に根付いた発信が日常化していくと、それが新たな観光資源になります。「この地域は、SNSから温かさが伝わってくる」――そんな印象を持ってもらえたら、すでに発信は“観光の一部”になっていると言えるでしょう。発信は、誰かの好奇心に火をつけるきっかけになります。難しく考えず、まずは今ある景色や声から届けてみませんか。

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