日々の仕事で培ってきたその技術、動画にするだけで思わぬ収入につながるかもしれません。特別な演出がなくても、プロの経験には伝える力があります。この記事では、実際に動画を収益に変えている人たちの例を紹介しながら、自分のスキルを“資産”に変える方法をわかりやすく解説します。今ある技を、もっと活かすきっかけにしてみてください。
技を動画にして稼ぐって本当?実際に活躍している人たち
「そんなの一部のインフルエンサーだけでしょ?」と思っていませんか?実は、専門スキルや手に職を持つ人たちが、自分の技を動画にしてしっかり収益を得ています。しかも、ただ稼ぐだけではありません。テレビに出たり、書籍を出したり、企業とコラボしたりと、動画をきっかけに活躍の場を広げている人がいます。ここでは、実際に“プロのスキル”を武器にYouTubeで成功している3人を紹介します。
脱・税理士スガワラくん
税金の話で100万人超え!?士業でもここまでできる
「脱・税理士スガワラくん」は、税金や経営の話をテンポよく解説するYouTubeチャンネル。内容は堅いけれど、話し方と構成でグイグイ引き込まれます。登録者数はなんと110万人超え。士業の世界でこれほど注目されているYouTuberは他にそういません。
YouTubeだけじゃない。テレビにも出演
ただの人気チャンネルで終わらず、テレビ番組や各種メディアでも取り上げられるほどの影響力を持っています。「専門職の発信者」としての成功例として、多くの人が参考にしています。動画で知名度を広げることが、本業の信用にもつながっている好例です。
きまぐれクック
魚をさばくだけで1,200万人超え!料理人の本気が世界に届く
「きまぐれクック」は、かねこさんがさまざまな魚をさばいて料理するチャンネル。珍しい魚や豪快な包丁さばき、そして視聴者との距離感の近いトークが支持されています。チャンネル登録者数は1,240万人以上という驚異的な規模です。
見る人の“知らない世界”をそのまま届けているだけ
奇をてらったことはしていません。ただ、プロの技術を、丁寧に・軽やかに見せているだけ。それだけで、ここまでの影響力を持ち、企業タイアップや書籍化など多方面での展開につながっています。
B-life
スタジオも不要。日常の空間で230万人に向けてレッスン配信
「B-life」は、Marikoさんによるヨガ・ピラティスのチャンネル。特徴は“自宅でできる”という手軽さにあります。チャンネル登録者数は223万人を超え、朝ヨガや寝る前ストレッチなど、生活に溶け込む内容が高く評価されています。
カメラ1台で始めたことが、立派な動画事業に
特別な設備も大がかりな演出も必要ありません。続けることで、視聴者が定着し、今では企業とコラボしたり、有料プログラムを提供するまでに拡大。まさに「生活の知恵と技術」が仕事になった成功例です。
動画が“働く資産”になるってどういうこと?
動画は、見られる限りずっと収入を生み出します。しかも、撮影して投稿するのは一度きり。それ以降は、寝ている間も、別の仕事をしている間も、動画があなたの代わりに働き続けてくれる。この仕組みが、「ストック型収益モデル」と呼ばれる理由です。
再生されるだけで収益が発生するしくみ
広告からお金が入る仕掛けは意外とシンプル
YouTubeでは、動画内に広告が表示されるたびに広告主から報酬が支払われ、その一部が動画制作者に還元されます。これが「広告収益」です。チャンネル登録者数1,000人以上、過去12か月の総再生時間4,000時間以上をクリアすると収益化の対象になります。
どれくらい再生されると、いくらになるのか?
広告の単価は時期やジャンルによって違いますが、おおよそ1再生0.1〜0.3円と言われています。以下のようなケースが想定されます。
動画本数 | 月間再生数(1本あたり) | 合計再生数 | 想定広告収益(@0.2円) |
---|---|---|---|
10本 | 10,000回 | 100,000回 | 20,000円 |
30本 | 8,000回 | 240,000回 | 48,000円 |
50本 | 5,000回 | 250,000回 | 50,000円 |
目安ではありますが、これだけで家賃や光熱費の足しになる人も少なくありません。
“作ったあと”もずっと収益が発生するのが強い
動画は投稿してからが本番
多くのコンテンツは発信して終わりですが、動画は違います。投稿後も検索されたり、関連動画から流入したりして、何度も見られ続けることがよくあります。特に専門的なノウハウ系は「長く価値が落ちにくい」のが特長です。
本数が積み上がると、収益が安定しやすい
最初は1本でも、10本、50本、100本と動画が増えるほど、チャンネル全体の再生数が安定してきます。バズを狙わなくても、じわじわと育てることができるのがストック型の良さです。
スキルがあるだけで“素材”になる
しゃべらなくても、見せるだけで伝わる
職人仕事や調理、エクササイズ、手技のような分野では、丁寧に作業している様子を見せるだけでも十分な価値になります。「説明が苦手だから」とためらう必要はありません。
言葉じゃなく、動きや手元が“語る”動画もある
むしろ細かい説明よりも、視聴者は「動作」「流れ」「スピード感」などを見て学び取ろうとします。伝える力は、必ずしも言語に依存していません。だからこそ、あなただけのやり方が“見せる価値”になるのです。
プロのスキルを動画にするべき3つの理由
「いつか動画を出してみよう」と思っているなら、今がその“いつか”です。情報の受け取り方が変わった今、動画という手段は後回しにできない存在になっています。ここでは、なぜ今、プロの技やノウハウを動画にする価値があるのか、その背景を3つの視点から解説します。
調べごとは“検索”より“視聴”が主流に
動画で学ぶという習慣が当たり前になっている
以前は、何かを調べる時にテキスト検索が基本でしたが、今は「まずYouTubeで検索してみる」という人が増えています。料理のレシピ、エクササイズのやり方、確定申告の流れ、道具の使い方──あらゆるジャンルで“動画で見たい”というニーズが明確になっています。
音声・動作・視覚で「わかる」を伝えやすい
動画には文字では伝えきれない強みがあります。話し方や表情、動作のスピードなど、実演している雰囲気も含めて視聴者に届けることができるため、直感的に理解しやすく、離脱率も下がりやすいという特徴があります。
「個人から学ぶ」という価値が高まっている
肩書きより“信頼できそうな人”が選ばれる時代
誰が話しているか、というよりも「この人ならわかりやすそう」「実体験がありそう」という信頼が重視されるようになっています。資格や役職ではなく、発信の内容とトーンが“選ばれる理由”になっているのが今の空気感です。
専門家の視点は、一般の人にとって新鮮
日々の仕事で当たり前のようにやっていることも、他人からすれば「そんなふうに考えるんだ」と驚くことばかり。特にプロの目線でのちょっとした工夫や判断の基準などは、動画で見せると「なるほど」と感じてもらえる情報になります。
動画との相性がいいスキルは意外と多い
“動き”がある仕事ほど動画に向いている
手元の作業、体の動き、ツールの扱い方──こうした動的な要素がある仕事は、動画と非常に相性がいいです。料理、施術、建築、整備、クラフト、エクササイズ、演奏…例を挙げればきりがありません。
言葉よりも、見せるほうが伝わるジャンルもある
話すのが得意でなくても心配いりません。むしろ、黙々と作業しているだけの動画が「見ていて気持ちいい」「学びになる」と人気になることもあります。だからこそ、自分の技を“見せる”ことに一歩踏み出す意味があります。
収益につなげるための5つのステップ
ただ動画を撮ってアップするだけでは、安定した収益にはつながりません。動画を“働くコンテンツ”にするには、計画的な設計と継続的な工夫が必要です。ここでは、収益化の土台をつくるための5つのステップを紹介します。
どんなテーマで動画を出すかを決める
視聴者が求めていることを探るのが第一歩
自分が得意なこと=需要があるとは限りません。まずは検索されているワードや、YouTube上での人気ジャンルを調べて、どんな内容にニーズがあるかを把握しましょう。「よく聞かれる質問」「現場で何度も説明していること」は、動画化に最適です。
無理にバズを狙わなくてOK
大切なのは、再生回数ではなく“誰にとって役立つか”です。コアな視聴者に深く刺さるテーマのほうが、長期的には収益につながりやすくなります。
撮影と編集の基本をおさえる
スマホでも十分に始められる
最近のスマートフォンのカメラ性能は十分高く、照明や音声に気を配れば、初期費用を抑えたまま高品質な動画をつくることができます。三脚やワイヤレスマイクがあると、さらに安定感が出せます。
編集は“見やすく”“間延びしない”が基本
余計な間をカットしたり、図解や字幕を入れたりするだけで、動画の印象がグッとよくなります。特に初めて見る人にとっては、テンポ感が重要です。
プラットフォームを選ぶ
YouTubeだけじゃない選択肢もある
無料で広く公開するならYouTubeが基本ですが、内容によってはVimeoや自社サイトでの限定公開も視野に入ります。講座形式や有料配信を考えている場合は、プラットフォームの使い分けが鍵になります。
配信先 | 特徴 |
---|---|
YouTube | 広く拡散しやすい、広告収益型 |
Vimeo | 限定公開や有料配信向き |
自社サイト | 会員制や販売導線と組み合わせやすい |
収益化の仕組みを設計する
広告だけじゃない、稼ぎ方はいろいろある
YouTubeの広告収益以外にも、収益化の手段は複数あります。自分のビジネスモデルに合った方法を選びましょう。
- 広告(YouTubeパートナープログラム)
- 投げ銭・メンバーシップ
- 月額制コンテンツ(オンライン講座など)
- 商品やサービスのPR
- 自社商品の販売導線として活用
続けるための仕組みを作る
習慣化と“仕組み化”がカギ
継続できるかどうかが、収益化の成否を大きく左右します。たとえば「毎週◯曜日に投稿」「同じフォーマットで構成する」など、自分が続けやすいルールを最初に決めておくと安定しやすくなります。
視聴者の反応を見ながら調整する
コメントや再生数、視聴維持率といったデータはすべて“改善のヒント”になります。最初から完璧な動画は作れなくても、視聴者と対話しながら少しずつ育てていけばOKです。データを“フィードバック”として活用しましょう。
ファンが増える動画には理由がある
どんなにいい技術や知識があっても、伝え方次第で動画の成果は大きく変わります。うまくいっている人の動画には、見続けたくなる要素がきちんと入っています。ここでは、ファンを惹きつける動画に共通するポイントを具体的に紹介します。
わかりやすく伝えることにこだわっている
専門的でも“かみくだく力”がある
難しい話や専門用語をそのまま並べるのではなく、「つまりこういうこと」と言い換えるひと手間が、視聴者にとっての理解しやすさになります。身近なたとえ話や図解を使うのも効果的です。
一方通行ではなく“話しかけるような語り”が大事
見ている相手の顔が見えなくても、言葉のトーンや間の取り方で距離感は大きく変わります。独り言のようにならず、「こういうこと、気になりますよね」と視聴者に語りかけるような話し方が共感を生みます。
続けて見たくなる仕組みがある
更新があると“また見たい”気持ちが続く
投稿のペースが安定している動画チャンネルには、自然とリピーターが付きます。毎週、または隔週など、一定の頻度で更新されていることが安心感や期待感につながります。
動画ごとにバラバラな内容にしない
「何のチャンネルかわからない」と思われると、ファンになってもらうのは難しくなります。テーマの軸を一貫させることで、「この人の動画なら安心して見られる」という信頼が生まれます。
良い例 | 効果 |
---|---|
毎週水曜に「○分でわかる○○」を配信 | 習慣的に見てもらいやすくなる |
全動画の冒頭と締めに同じ挨拶や構成を採用 | ブランドとして印象に残りやすくなる |
同じカテゴリ(例:DIY/手技/調理)で展開 | 視聴者の関心がぶれにくくなる |
見たくなる工夫は画面の外にもある
タイトルとサムネイルで第一印象が決まる
内容がどれだけよくても、タイトルとサムネイルでスルーされてしまえば意味がありません。興味を引く言葉を使いながら、内容をきちんと反映したタイトルをつけることが大切です。
“これなら自分もできそう”を伝える表現が強い
たとえば「3分でできる」「現場で使ってるやり方」「誰でも実践できる」といった言葉は視聴者の背中を押します。「役に立ちそう」と感じた瞬間に、クリックされやすくなります。
ノウハウ動画を持つことの3つの強み
動画は単なる宣伝ツールではなく、自分の技術や知識を“資産”として蓄積できる手段です。しかも、毎日撮影しなくても、最初の数本が長く働いてくれることもあります。ここでは、ノウハウ動画を収益化することで得られる具体的なメリットを紹介します。
時間や場所にとらわれない収入が得られる
動画は“働かなくても動いてくれる”存在
一度投稿した動画は、ネット上に残り続けます。誰かが見てくれれば、そのぶん収益が発生する可能性があります。出張中でも、休んでいても、動画は勝手に働いてくれます。
どこにいても収益が積み上がる仕組みをつくれる
スマホとネット環境があれば、動画の投稿も管理もできる時代です。場所を選ばずに収益の柱を作れるというのは、実店舗や対面サービスにはない大きなメリットです。
作ったあとも収益が続く“ストック型”の強み
過去の動画が見られ続ける=収益が継続する
動画は投稿して終わりではなく、検索されたり関連動画として表示されたりして、思わぬタイミングで再生され続けます。すぐに反応が出なくても、半年後に急に伸びることも珍しくありません。
積み上げるほど“安定感”が増していく
動画が10本あるのと、100本あるのとでは、1日の再生数に大きな差が出てきます。本数を重ねていくことで、自然と安定した収益が見込めるようになります。
自分の信用や知名度を高める武器になる
動画が“名刺代わり”になる
どんな人が、どんな考えで、どんな技術を持っているのか。それを映像で伝えることで、言葉よりも早く信頼を得られるようになります。問い合わせや相談のハードルも下がります。
視聴者との“関係性”が積み上がる
継続的に動画を見てくれている人は、すでにこちらのことをよく知っています。その状態で商品やサービスを紹介すれば、はじめて会うよりも圧倒的にスムーズに進めることができます。動画は単なる発信ではなく、信頼を積み上げる手段でもあるのです。
なぜ稼げない?よくあるつまずきとは
動画を出したからといって、すぐに収益が出るとは限りません。うまくいっている人がいる一方で、なかなか結果につながらないケースも多くあります。でも、そこには必ず原因があります。ここでは、よくある失敗パターンと、それを避けるための工夫を紹介します。
誰に向けた動画なのかがあいまい
ターゲットがぼやけると、誰にも刺さらない
「とりあえず自分の知っていることを話す」というスタイルでは、再生回数はなかなか伸びません。見ている人が「これは自分向けだ」と感じないと、離脱されてしまいます。
視聴者像を具体的にイメージする
性別や年齢層だけでなく、「どんな場面で見られるか」「どんな悩みを持っているか」を考えて企画を立てることが大切です。たとえば「これから個人事業を始める人に向けた経理の話」など、絞り込むことで視聴者の反応が変わってきます。
自分だけが満足する内容になっている
作り手目線に偏ると、見てもらえない
こだわりが強すぎて情報量が多くなったり、視聴者が何を知りたいかを無視してしまうと、動画は自己満足に終わります。とくに専門分野では、知っている前提で話しすぎてしまうことがよくあります。
「わかるかどうか」で判断するクセをつける
話している内容を家族や知人に説明して理解してもらえるか、それが一つの目安になります。また、過去の自分を思い出して「最初にこれを知りたかった」と思うことを起点に構成すると、視聴者目線の動画になりやすくなります。
視聴者の声を取り入れていない
コメント欄やデータを無視していないか
視聴者が何に反応したか、どこで離脱したか。YouTubeにはその情報がすべて可視化されています。また、コメント欄には「こういうのも知りたい」「ここがわかりづらかった」というヒントが詰まっています。
“改善する気”があるかどうかが分かれ道
反応が良かったテーマは掘り下げて続編を作ったり、伸びなかった動画は冒頭を見直したり。小さな試行錯誤の積み重ねが、次第に再生数や登録者数の伸びにつながっていきます。完璧を目指す必要はありませんが、“変えていく意識”がないと、成長も止まってしまいます。
今のスキルが“選ばれる”きっかけになる
どこにいても、誰と会わなくても、自分の技や知識を伝えられる手段がある。動画は、スキルを持っている人が“見つけてもらえる”ための強力なツールです。発信を始めた人から、次のチャンスをつかんでいます。
動画が新しい収入の柱になる
対面だけが仕事じゃない時代の選択肢
これまで一対一でしか提供できなかった技術や指導も、動画にすることで一対多に広げられます。たった一度の収録が、何度も誰かの役に立ち、そのたびに収益が発生します。
既存の仕事と“うまく並立”できるのが強み
本業に支障を出さず、副業的に始められるのも魅力です。現場の合間に動画を撮って、空き時間に編集して投稿。続けていくうちに、気づけばもう一つの収益源になっていた、という人も多くいます。
はじめの1本が、大きな一歩になる
考えすぎず、まず出してみる
完璧を求めると、いつまでも始められません。まずはスマホで短く撮ってみるだけでもOK。1本出してみれば、どこを直せばいいか、何を改善すればいいか、次にすべきことが自然と見えてきます。
“伝える”経験が、自分の価値を引き出す
動画にしようとすると、自分の知識ややり方を言葉にする必要が出てきます。これが「当たり前にやってきたこと」の価値に気づくきっかけにもなります。発信することで、スキルがさらに磨かれるという好循環が生まれます。
コツコツ続けた人から結果が出ている
視聴者がついてくるのは“継続”できる人
人気のあるYouTuberや動画制作者は、最初からうまくいっていたわけではありません。少しずつ改善を重ねながら、自分の型を見つけてきた人たちです。続けることで視聴者との信頼も育ちます。
小さな積み重ねが“仕事になる”時代へ
数本の動画でも、見てくれる人がいて、コメントがついて、少しずつファンが増えていく。その過程が、やがて収益や依頼、講座、書籍化といった展開につながっていくこともあります。大きく稼ぐ前に、小さく始める。それが動画収益化のリアルなスタートラインです。