オンラインレッスンを動画にして届ける方法、ご存じですか?
今ある教室の内容を少し工夫するだけで、場所にとらわれず、何度でも“売れるレッスン”に変えることができます。
このページでは、教室ビジネスを続けながら収益を広げるオンライン講座の始め方をわかりやすく紹介します。
オンラインで教室ビジネスの可能性が広がる
場所や時間に縛られる教室運営でも、ちょっとした工夫で可能性は大きく広がります。動画で伝える形にすれば、これまで届かなかった人にもレッスンの価値を届けられます。
今のレッスンが“商品”に変わるという考え方
教室で普段行っているレッスン内容は、それだけで立派な「商品」になります。オンライン講座として動画で提供すれば、繰り返し販売できるコンテンツに変わります。
たとえば週1回のレッスンも、録画して配信できる形にすれば、教室に通えない人や遠方の人にも届けられます。一度作れば何度でも販売できるため、ストック型の収益源としても機能します。
デジタル講座市場の広がり方と傾向
日本国内でも、動画講座を使った学習や習い事はかなり身近になってきました。総務省の「情報通信白書(2023年)」によれば、インターネット経由での学習コンテンツ利用率は全年代で上昇し、特に30代〜50代の利用が安定して伸びています。
リアルの教室だけではカバーしきれなかった年齢層や生活スタイルの異なる人たちに、オンラインなら無理なくアプローチできます。これは単なる利便性の話ではなく、市場の受け皿そのものが変化しているということです。
教える手段が選べると、ビジネスの形も変わる
動画、音声、PDF、ライブ配信──方法が選べることで、講師のスタイルにも自由が生まれます。すべてを動画で作りこまなくても、トークやスライドだけでも十分に価値を伝えることができます。
- 時間をかけずに撮影したショート講座
- 複数本を組み合わせたステップ式の講座
- メールやチャットを併用したフォロー型の講座
これまでなら「教室に通ってもらう」一択だったレッスンが、形式や規模に応じて複数の形で展開できるようになります。
売上の上限を変えるオンラインという選択肢
教室運営にはどうしても限界があります。でもオンライン講座を加えるだけで、収益の考え方を根本から見直すことができます。
対面指導にだけ頼るリスク
教室型ビジネスの多くは、定員と稼働時間によって収益が固定されます。つまり、生徒数や稼働日数の上限がそのまま売上の上限です。
たとえば1回のレッスンで5人に教えていた場合、それ以上の売上は同時には見込めません。1日に何回もレッスンを入れれば体力的な限界もあり、これ以上は「頑張っても増えない」状況になりがちです。
1対多のモデルで可能性を広げる
オンライン講座なら、一度収録した内容を何人にでも販売できます。「1対1」や「1対数人」だったレッスンが、「1対無制限」になるということです。
以下の表は、同じレッスン内容を対面とオンラインで比較したときの収益ポテンシャルを簡単に示したものです。
レッスン形式 | 定員 | 1回の単価 | 月の実施回数 | 最大月収(概算) |
---|---|---|---|---|
対面教室 | 5名 | 2,000円 | 8回 | 80,000円 |
オンライン | 無制限 | 1,500円 | 販売数に応じて | 150,000円〜 |
※オンライン販売は「同じ動画を何度も販売できる」点が最大の利点です。
複数の収入ルートがあると安心感が違う
対面レッスン+動画講座という2本柱があれば、体調不良や天候による休講があっても、一定の収益がキープできます。さらに、講座の内容をPDFやミニ教材に展開することで、小さな収益も積み重ねられます。
- 月額制で安定収入を得る
- 単品販売で新規ユーザーを取り込む
- 限定公開で既存生徒向けの価値を高める
こうした設計は、すべてオンライン講座という仕組みを持つことで可能になります。対面指導の強みをそのまま活かしながら、無理なく広げられるのがポイントです。
無理せず売上アップを目指すために
教室で培ったノウハウやレッスン内容は、動画にするだけで収益の広がり方が大きく変わります。いつも通りの教え方をベースにしながら、もっと効率よく売上につなげていく方法を考えてみましょう。
同じ内容を何度も販売できるのが最大の魅力
動画講座の最大の強みは、同じコンテンツを繰り返し販売できることです。毎回ゼロから教える必要がなく、一度つくったレッスンがずっと使える“収益のタネ”になります。
たとえば、ヨガ教室で行っている基本ポーズの解説や、英会話教室の基礎フレーズの講義などは、内容を変えなくても多くの人に価値があります。むしろ繰り返し見てもらうことで、学びが定着するというメリットもあります。
動かなくても売上が生まれる仕組み
動画は、講師がその場にいなくても働いてくれます。たとえば体調が優れない日や、レッスンを入れていない日でも、過去のコンテンツが販売されればそれだけで収入になります。
オンライン講座を持つと「働いた時間=売上」という直線的な仕組みから、「仕組みによって売上が積み上がる」形に変わります。これがいわゆる“ストック型”と呼ばれる収益モデルです。
単発販売とサブスクモデルの違い
収益モデル | 特徴 | 向いている講座タイプ |
---|---|---|
単発販売 | 1本ずつ販売/購入ごとに収益 | 基礎レッスン、単発講義など |
サブスク | 月額課金/継続視聴が前提 | 継続指導やシリーズ型講座 |
講座の内容によって販売形式を使い分けることで、より収益が安定します。
既存の生徒とオンラインでつながり続ける
動画講座は新しい顧客層への入り口になるだけでなく、今いる生徒との接点にもなります。たとえば「自宅で復習できる動画」「欠席した日のフォローレッスン」として提供すれば、対面レッスンと並行して役立てることができます。
さらに、過去に通っていた生徒へのフォローや、遠方に引っ越した方への継続提案にも活かせます。直接会えなくなったとしても、動画を通じて関係が続けば、リピーターとして戻ってくるきっかけにもなります。
伝わる講座をつくるために大事なこと
動画を作るだけでは売れません。どれだけ見やすく、分かりやすく、続けやすいか──そうした工夫が収益につながっていきます。
どのくらいの長さがちょうどいい?
動画は長ければ良いというものではありません。一般的に「10〜15分程度」で1本が完結する形式が、視聴者にとっても扱いやすい長さとされています。
- 基本編・応用編に分ける
- テーマ別に短く区切る
- 無理に詰め込みすぎない
こうした工夫で、集中して見てもらえる講座構成になります。
画面越しでも伝わる見せ方を意識する
カメラの位置や照明、音声のクリアさはとても大切です。特に声が聞き取りづらかったり、画面が暗かったりすると、それだけで視聴が止まってしまうこともあります。
基本のセッティング例
- カメラ位置:目線よりやや上に設定
- 音声:スマホ内蔵マイクよりピンマイクのほうが安心
- 照明:顔全体が明るく見えるライトを設置
スマホ1台でも、簡易の三脚やリングライトがあるだけで印象は大きく変わります。
対面とは違う伝え方のコツ
対面では自然に伝わっていたことも、動画では伝わりづらくなる場面があります。たとえば「一緒にやってみましょう」と言う場面でも、動画では見本をしっかり見せる必要があります。
- 手元や全身がしっかり映る構図
- 解説と実演のバランスを意識する
- 画面越しの視点で話しかける
細かい部分ほど意識的に説明するようにすると、受講者の満足度も上がります。
見終わったあとに次が用意されていることが大切
受講後の“次のアクション”を設計しておくことも、収益を継続させる鍵になります。単発で終わらせず、「続きが見たい」と思ってもらえる流れを意識しましょう。
- 3本セット、シリーズ形式で構成する
- 見終わった人向けに別コースを提案する
- フォロー用のミニ動画やQ&A動画を用意する
講座が終わっても学びが続くように設計すると、リピート率が自然と高まります。単発での購入から、継続的な購入やサブスクへの移行もスムーズになります。
動画講座の配信と販売の手順
動画講座を始めるなら、必要なのは「収録する」「配信する」「販売する」の3つだけ。特別なスキルがなくても取り組めるように、基本的な流れと、目的に合ったサービスの選び方を紹介します。
配信までに必要なステップを整理する
まずは全体の流れを把握しておくと、無駄な手間を省けます。以下が、動画講座を作成・販売するまでの基本ステップです。
動画講座づくりの流れ
- 講座内容を決める
何を誰に教えるかを明確にします。 - 収録する
スマホやカメラで動画を撮影します。 - 編集する
不要な部分をカットし、見やすく整えます。 - アップロード先を決める
販売・配信プラットフォームを選びます。 - 販売ページを作る
講座の紹介文やサムネイル画像などを用意します。 - 決済方法を設定する
単発購入か月額課金か、販売形式を決めます。
プラットフォームを使えばこの流れを一括で管理できるため、無理なくスタートできます。
配信ツールおすすめ5選
ツールにはそれぞれ向き・不向きがあります。以下は主要なプラットフォームの特徴を比較したものです。
ツール名 | 特徴 | 向いている講座タイプ |
---|---|---|
FANTS | 会員制+月額モデルに対応/アプリでも使いやすい | エクササイズや定期更新のある講座 |
DMMオンラインサロン | コミュニティと連動/参加者同士の交流も可能 | 継続学習、意見交換が生きる講座 |
Udemy | 集客力が強く、マーケットプレイス型 | 資格系・実用スキル講座など |
Teachable | コース販売に特化/クーポン発行・決済機能も豊富 | 自ブランドで展開したい講座 |
ソーシャルキャスト | アクセス制限・視聴制限などセキュリティに強い | 限定配信・クローズドな講座向け |
それぞれの特徴を具体的に見ていきます。
FANTS:シンプルに始めたい人向け
動画配信+コミュニティ機能が一体化していて、スマホアプリでも完結できるのが魅力。月額課金制で継続収入を見込みたい人に適しています。チャット機能もあり、少人数制の教室にぴったりです。
DMMオンラインサロン:交流やライブ配信も重視したい場合に
月額制+コミュニティ要素があり、参加者とのやりとりが活発な講座に適しています。ライブ配信や会員限定投稿もできるので、リアルタイムの関係構築を重視する講座と相性が良いです。
Udemy:すでにある集客導線を使いたいときに
自分での集客が難しい人でも販売しやすいのがUdemyの強み。集客はプラットフォーム側に任せて、講座づくりに専念できます。売上の手数料はやや高めですが、その分露出効果もあります。
Teachable:自分のペースでブランド展開したい人向け
自分のサイト上で講座を売りたい人に向いています。ページのカスタマイズ性が高く、価格設定やクーポン発行、アフィリエイト機能まで備えています。自分のブランドで運営したい場合は選択肢になります。
ソーシャルキャスト:限定講座やクローズド配信に強い
ID認証やパスワード保護など、視聴制限が厳密にかけられるのが特徴。動画を特定の人だけに配信したい場合や、会員限定講座を想定しているときに便利です。外部流出のリスクを抑えたい場合に向いています。
気をつけておきたい3つの注意点
始めてから「こんなはずじゃなかった」とならないように、あらかじめ気をつけたい点を紹介します。基本的なことですが、意外と見落とされがちです。
著作権・肖像権は意識しておくこと
講座内で使う音楽や画像、教材に関しては、著作権に注意が必要です。YouTubeなどの動画と違い、販売目的の動画講座では「商用利用」の扱いになります。フリー素材であっても、商用利用OKのものを使いましょう。
また、生徒の顔や声が映っている動画をそのまま販売するのはNGです。許可を取らずに公開・販売すると、肖像権の問題が発生します。
通信環境によるトラブルも想定しておく
視聴側の通信環境によっては、動画が途切れたり再生できなかったりするケースがあります。あらかじめ「推奨視聴環境」を明記したり、スマホ対応のUIを整えておくと安心です。
配信者側も、アップロード時に回線が安定しているか確認しましょう。自宅のWi-Fiが不安定な場合は、録画済みデータを夜間にアップロードするなど工夫が必要です。
高すぎる価格設定が売れ行きを落とすことも
価格は内容に見合った設定が大切です。対面の講座と同じ感覚で値付けすると、動画講座では割高に感じられることがあります。
例えば:
- 対面:1時間 5,000円 → OK
- 動画講座:30分で5,000円 → やや高い印象を与えることも
初回は手に取りやすい価格にして、シリーズやフォロー講座で収益を積み上げるスタイルが安心です。価格だけで勝負するのではなく、「続けたいと思える構成」に価値を持たせる設計を意識しましょう。
収益アップができた動画講座のモデルケース
オンライン講座を取り入れたことで、売上や生徒との接点が大きく広がった教室は少なくありません。ここでは、実際に成果を上げた事例を3つ紹介します。
空き時間を活かしたエクササイズ教室
パーソナルスタジオを運営しているあるエクササイズ教室では、対面指導の合間に動画講座を制作。基本動作のレッスンを5〜10分程度に分け、短編動画として販売しました。
ポイントは「隙間時間の有効活用」
- 動画は営業日の午前中や空き枠の時間に収録
- 編集はスマホアプリで簡易的に実施
- 月5本程度の追加で、1カ月あたり約3万円の売上増を達成
全く新しいことを始めるというよりも、日々の指導をそのまま“動画にする”という考え方が効果的でした。
月謝制のみに頼らない語学講師のケース
ある個人の語学講師は、対面レッスンの空き日を活用して基礎文法の動画講座を制作。単品販売と月額の両方を組み合わせたモデルに切り替えました。
安定収入と新規開拓の両立
- 月額制:復習・予習用の動画をセットで提供
- 単品販売:文法項目別に1本ずつ提供
- 月謝制だけでは出会えなかった層にもリーチできた
受講者の中には海外在住の日本人や、子育て中で教室に通えない主婦層も含まれており、新しいニーズの掘り起こしにつながっています。
地方在住のフィットネス講師が全国へ展開
対面での受講が難しい地域でもレッスンを届けたいと考えたフィットネス講師は、オンライン講座を定期配信形式で運用。週1回のライブ配信と、過去動画のアーカイブを組み合わせた形で販売しています。
継続視聴につながる「ライブ+動画」の組み合わせ
- ライブ配信でリアルタイム性を演出
- アーカイブをストック収入として運用
- 月額1,980円のサブスクモデルで200名以上が参加中
地元以外からの参加者が増えたことで、地域を越えたブランディングにもつながりました。
収益を生み続ける仕組みを持つという選択
動画講座の強みは、一度作ったものが長く収益につながることです。最初の一本は大変でも、そこから広がる可能性は大きく、長期的に見れば資産として機能していきます。
一本目の講座がスタートラインになる
初めて作る講座は、うまくいくか不安に感じるかもしれません。ただ、一本作ることで全体の流れが見えてきます。
- 台本の作り方
- 撮影〜編集の段取り
- 視聴者の反応と改善のヒント
こうした経験が、その後の講座づくりをスムーズにしてくれます。
対面とオンラインを両立することで安定感が生まれる
教室に通う生徒と、オンラインで講座を受けるユーザーは、重なる部分もあれば別の層になることもあります。両方のチャネルを持つことで、ひとつの収入源に依存しない運営ができます。
- 教室:コミュニケーション重視の指導
- オンライン:復習・補講・自主学習用に提供
どちらか一方に偏らない設計が、無理なく続けるコツです。
自分のペースでできる収益化の安心感
対面指導に比べて、動画講座は時間に左右されません。予定が立てづらい時期や、体調管理が必要なときにも、自動的に売上が立つ仕組みを持っていることは大きな安心材料になります。
「いつでも収入を生み出せる講座を持っている」──それだけで、日々の教室運営にも余裕が生まれます。長く続けていくためにも、自分に合ったやり方で少しずつ取り入れていくのが効果的です。