地方空き家を世界に売る!デジタルの力で「日本人すら来なかった土地」の価値が変わる

地域活性化

こんにちは。株式会社ネクフルです。

人が来ない、見に来られない― そんな場所にある空き家は、日本人にとってもハードルが高いのが現実です。でも、それを理由にあきらめるのは早いかもしれません。画面越しに物件の中まで“体験できる”ようになれば、距離の壁を越えて海外の買い手にも届くチャンスが生まれます。この記事では、デジタルツインという仕組みを使って、動きづらい土地を“売れる物件”へと変えていく考え方を紹介します。

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  1. 誰も来ない土地は、本当に人が来ない場所なのか?
    1. 行きづらさがチャンスをつぶしている
      1. そもそも候補にも入らない
    2. 現地に行けない=検討すらされない
      1. 国内でも内見調整が一苦労
  2. 情報が足りなければ、判断できるはずがない
    1. 想像だけで判断させてはいけない
      1. 実際に起きている“掲載後の無反応”
    2. よく見える=よくわかる、ということ
      1. 視覚情報が決め手になることもある
  3. “現地に行かなくてもわかる”をつくる
    1. デジタルで再現すれば、空き家はもっと伝わる
      1. 写真や図面だけでは伝わりきらないことがある
      2. 表現の方法は場所にあわせて選べる
    2. 見えると安心できる、だから前向きに考えられる
      1. 判断材料がそろっていれば、動きやすくなる
  4. 見せ方ひとつで、買う気に火をつける
    1. 視覚のインパクトは侮れない
      1. 見た瞬間に「ここならいいかも」と思わせられるか
    2. 海外の買い手が動くタイミングもここにある
      1. 離れていても“わかる”と伝えられることの強み
      2. “いつか行く”ではなく“今見える”ことで変わる流れ
  5. 海外の目が届いたとき、町の空気が少し変わった
    1. 知られていなかった町に、宿泊施設が生まれた
      1. きっかけは海外からの問い合わせ
      2. デジタルツインでイメージが形になった
    2. 地元事業者と海外投資家が一緒に進めたプロジェクト
      1. 双方の役割を明確にしたことでうまくいった
      2. 雇用と改修で地域にも利益が生まれた
    3. 外の価値観が“らしさ”を引き出すこともある
      1. 文化を塗り替えるのではなく、活かす形に
      2. 地元の人も、“良さ”を再認識する機会に
  6. 誰も来なかった場所に、新しい可能性を灯すには

誰も来ない土地は、本当に人が来ない場所なのか?

“誰も来ない土地”と言われる場所でも、実は“来にくい”だけというケースは多くあります。遠いから売れない。けれど、それを覆すのは「来させる」ことではなく「見せる」ことかもしれません。

行きづらさがチャンスをつぶしている

地方の空き家には、物理的な距離だけでなく心理的なハードルがあります。都市部からのアクセスに何時間もかかることや、交通機関が不便なことで、内見をあきらめる人は少なくありません。

そもそも候補にも入らない

「買う気はあるけど、そこまで行くのは難しい」という声は多く聞かれます。つまり、立地の悪さではなく、“体験できない”ことが購入検討から外れる理由になっているのです。

現地に行けない=検討すらされない

不動産購入には内見がつきものです。しかし、地方物件の場合、「まず現地に行かないと話が進まない」という構造が壁になっています。これは国内外どちらの買い手にとっても大きな負担です。

国内でも内見調整が一苦労

地方の物件では、鍵の受け渡しや立ち会いに不便が多く、対応者が限られている場合もあります。不動産会社が近くにないエリアでは、売り手が直接案内する必要があるケースも少なくありません。

情報が足りなければ、判断できるはずがない

物件そのものの魅力が伝わらなければ、どれだけ価格が安くても買う決断にはつながりません。「よくわからないからやめておこう」と思わせてしまうのは、情報の見せ方に課題があるからです。

想像だけで判断させてはいけない

情報が足りないと、買い手は「悪いところが隠されているのでは」と不安になります。写真が少なかったり、図面だけしかなかったりすると、実際よりも印象が悪くなることすらあります。

実際に起きている“掲載後の無反応”

空き家バンクなどに登録しても、ほとんど反応がないまま数ヶ月が過ぎる。そんな状況に直面している自治体やオーナーは少なくありません。原因の多くは、物件そのものではなく「伝え方」にあります。

よく見える=よくわかる、ということ

情報が充実していれば、現地に行かなくてもある程度の判断が可能です。360度パノラマや立体モデルなどを用いれば、空間の感覚や状態が格段に伝わりやすくなります。

視覚情報が決め手になることもある

実際、「写真や映像を見て、想像以上に良かったから買った」という例もあります。つまり、“見えるようにしただけ”で、検討の土俵に上げてもらえる確率は大きく変わるということです。

“現地に行かなくてもわかる”をつくる

物件を買うとき、「現地を見てから決めたい」というのは自然な感覚です。でも、遠くて行けない、日程が合わない、海外に住んでいる──そんなとき、どうするか。その答えが“体験を再現する”という発想です。

デジタルで再現すれば、空き家はもっと伝わる

デジタルツインとは、現実の建物や空間をデジタル上で見えるようにする仕組みです。3Dモデルだけでなく、360度のパノラマ写真や図面と連動した画像、部屋ごとの映像ツアーなども含まれます。建物の状態や広さ、雰囲気を“現地に行かなくてもわかる”ようにすることで、検討のきっかけを生み出せます。

写真や図面だけでは伝わりきらないことがある

間取り図や外観写真では、「実際どうなんだろう」と思われることが少なくありません。天井の高さや部屋の奥行き、窓の位置や光の入り方といった感覚は、静止画だけでは伝わりにくい要素です。

表現の方法は場所にあわせて選べる

VRウォークスルーのような本格的な3Dが用意できなくても、スマホ撮影でのパノラマや部屋ごとの丁寧な撮影でも十分効果があります。重要なのは“伝わるように見せること”であって、高度なシステムである必要はありません。

見えると安心できる、だから前向きに考えられる

購入を検討するうえで一番の不安は、「見た目と違っていたらどうしよう」という気持ちです。最初から内部の様子がしっかりわかれば、安心感が生まれ、選択肢として残してもらいやすくなります。

判断材料がそろっていれば、動きやすくなる

「安いけどよくわからない」よりも、「よくわかってて安い」という状態のほうが、購入を前提にした具体的な検討が始まります。たとえ現地に行く前でも、気持ちの上で一歩踏み出してもらえる可能性が高まります。

見せ方ひとつで、買う気に火をつける

人が空き家を買おうと決めるとき、最初のきっかけは「なんとなく気になった」「見てみたら想像よりよかった」という直感的なものが多くあります。そのきっかけを生み出すのが、“見せ方”の工夫です。

視覚のインパクトは侮れない

同じ物件でも、写真数枚だけの場合と、部屋ごとの映像や内装を詳しく見せている場合では、印象がまったく変わります。「思っていたより広く感じた」「自然光が入って明るい」といった感想が出てくるのは、視覚情報がしっかり届いている証拠です。

見た瞬間に「ここならいいかも」と思わせられるか

一瞬で心をつかめるかどうかは、見せ方にかかっています。画像の枚数や構成、映像の質感など、ちょっとした違いが印象に大きく影響します。判断材料をそろえると同時に、「感じのよさ」を伝える工夫が求められます。

海外の買い手が動くタイミングもここにある

外国から物件を探す人は、最初から現地に足を運ぶことは難しく、多くの情報をオンラインで得ようとします。そのときに、「中までしっかり見える」「使い方がイメージできる」と感じられると、興味の持続時間が変わってきます。

離れていても“わかる”と伝えられることの強み

日本の地方は、海外から見ると情報が少なく、検討の入り口にすら立てない物件が多くあります。見える化が進めば、地理的な遠さを感じにくくなり、「候補としてアリだな」と思ってもらえるきっかけになります。

“いつか行く”ではなく“今見える”ことで変わる流れ

今までは「行ってみてから考える」が主流だったのが、「見るだけでもかなりわかるなら、前向きに検討しよう」に変わります。こうした変化が、売れ残っていた空き家にも新しいチャンスを生み出します。

海外の目が届いたとき、町の空気が少し変わった

地元の人たちにもあまり意識されていなかった空き家が、外からの視点によって役割を持ちはじめる。そんな変化は、実際にいくつかの地域で起きています。小さな再生の成功が、静かに地域全体を動かしはじめています。

知られていなかった町に、宿泊施設が生まれた

もともと観光地ではなかったある地域で、空き家を活用した宿泊施設のプロジェクトが立ち上がりました。場所は山間部の小さな集落。アクセスは不便で、日本人の利用もほとんどないエリアです。

きっかけは海外からの問い合わせ

地元でも「この場所が使えるとは思わなかった」と言われていた空き家に、海外の事業者が目を留めました。理由は、「自然環境が豊かで静か」「日本らしい生活空間がそのまま残っている」という点。観光ガイドに載っていないからこそ価値があるという逆転の視点でした。

デジタルツインでイメージが形になった

現地までの距離があるため、最初はフルリモートでのやりとりでした。建物の内部をパノラマで見せたところ、「ここなら滞在型の施設として活用できる」と判断され、話が一気に進みました。結果的に、集落にないはずの“宿泊の選択肢”が生まれました。

地元事業者と海外投資家が一緒に進めたプロジェクト

外からの力を取り入れるとき、地元と対立構造になってしまうケースもありますが、このプロジェクトは地元の事業者が窓口となり、うまく連携がとられていました。

双方の役割を明確にしたことでうまくいった

海外側は資金と外部視点を、地元側は調整力と土地勘を持ち寄りました。観光運営に必要な許可申請や地域との関係づくりは、地元事業者が主導。外資系が前面に出すぎなかったことで、地域の不安も最小限に抑えられました。

雇用と改修で地域にも利益が生まれた

施設の改修工事は地域内の業者が請け負い、清掃や受付といった運営部分でも地元住民が関わる仕組みができました。「外からの金」ではなく、「一緒に育てていく場」として認識されるようになったことが、継続につながっています。

外の価値観が“らしさ”を引き出すこともある

再生された空き家には、元の雰囲気がそのまま残されています。畳や欄間、縁側など、日本の生活文化に触れたいというニーズが強く、現代的なリノベーションは最低限にとどめられました。

文化を塗り替えるのではなく、活かす形に

リノベーションでは、古材を生かし、壁の傷や梁の曲がりも「味」として残しました。「きれいに直す」より「手を加えすぎない」ことが評価され、訪れた海外客からは「まさに日本の家」と好評を得ています。

地元の人も、“良さ”を再認識する機会に

これまで「ただの古い家」と思っていた場所が、外国人にとっては魅力的に映る。その視点を知った地元住民の中から、「他にも使える家があるかもしれない」という声も出はじめました。

空き家が役割を取り戻すとき、それは家だけでなく、地域全体の風景や意識を少しずつ変えていきます。外からの一歩が、小さな町の未来に灯をともすこともあるのです。

誰も来なかった場所に、新しい可能性を灯すには

売れない理由が“場所”ではなく、“見えないこと”にあるのなら、見せ方を変えるだけで状況は動かせるかもしれません。遠くにあっても、海外であっても、しっかり伝われば人は動きます。空き家をただの不動産として扱うのではなく、地域の未来を開く窓として考えてみる。その一歩が、誰にも見向きされなかった町を、世界につながる場所へと変えていくきっかけになります。

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